兵庫県教育委員会が小中高生向けにLINEなどで実施している「ひょうごっ子SNS悩み相談」で、2025年度の相談員による対応が2662件に上り、相談をきっかけに虐待を受けていた中学生の一時保護につながるケースがあったことが分かった。一方、混雑などで対応できなかった相談も多く、県教委は相談時間の延長などを検討している。
LINE登録者数は約1万2000人
この相談は2018年に始まり、委託を受けた臨床心理士らがLINEや専用サイトのチャット機能を通じて相談に応じている。今年7月末時点のLINEの友だち登録者数は約1万2000人。電話や対面では相談しづらい児童生徒の悩みや不安について相談に乗る「双方向相談」(午後5~9時)と、回答を求めない「一方向連絡」(24時間)を受け付けている。
相談内容と緊急対応の実績
県教委によると、2025年度の双方向相談の内訳は「友人関係」(547件)が最多で、「学業・進路」(206件)、「学校・教職員との関係」(175件)、「いじめ」(144件)、「恋愛に関する悩み」(143件)などが目立った。
昨年4月頃には、母親からたたかれたり、髪をつかまれたりしているという女子中学生から相談が寄せられた。投稿には腫れた手の写真も添付されていたという。相談員が事情を聞き取った結果、緊急性が高いと判断し、児童相談所に連絡。同日中に職員が自宅を訪問し、母親が虐待を認めたため、一時保護につながった。自殺企図や児童虐待など緊急対応が必要な場合は、県警や児童相談所に連絡しており、2025年度は県警との連携が8件あった。
一方向連絡と今後の課題
一方向連絡は629件あり、そのうち学校と連携したのは399件。今年3月には、男子中学生が帰宅途中に目撃したいじめについて一方向連絡で情報提供し、県教委が学校とともに事態の把握を進めたケースもあった。
一方、混雑などで対応できなかった双方向相談は1646件に上る。県教委生徒指導課の担当者は「一人でも多くの子どもに寄り添えるよう体制の充実を図りたい」としている。