道新記者拘束、ロシアに即時解放要求 社説で強く主張
道新記者拘束、ロシアに即時解放要求 社説で強く主張

ロシア極東サハリン州で、北海道新聞ユジノサハリンスク支局の男性記者がスパイ容疑で拘束された。ロシア連邦保安局(FSB)が提供した映像では、黒装束の男たちがホテルの部屋に突入し、男性を床にうつぶせにさせて制圧し、手錠をかけたまま取り調べや移送を行っている。これは用意された完全な見せしめである。

拘束の経緯とロシア側の主張

記者はモスクワに移送され、裁判所は2カ月間の勾留を決定。有罪となれば最長で20年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。ロシア外務省のザハロワ報道官は、今回の事件が日露関係をさらに悪化させると指摘し、「日本には改心と対露敵対路線の放棄を求める」と表明した。

FSBは、記者が「クリール諸島」(千島列島と北方領土のロシア側呼称)の住民からウクライナ侵略での動員や志願兵数といった機密情報を収集していたと主張するが、実態は通常取材の範囲内ではないかと疑問が呈されている。

ロシアによる同様の事件が続発

ロシアは同様の暴挙を繰り返している。2019年にはウラジオストクで共同通信の記者が拘束され、5時間後に解放された。2024年7月には米紙ウォールストリート・ジャーナルの記者がスパイ罪で懲役16年の判決を受け、翌月に大規模な身柄交換で米国に帰国した。昨年末には日本メディアに協力するハバロフスク在住のロシア人男性が国家反逆容疑で拘束され、親族らによると現在も消息不明のままという。

日本政府への要請

専制国家は見せしめや囚人交換の手駒のため恣意的な法の運用をためらわない。日本政府はロシア側に情報提供や人道的配慮、公正公平な取り扱いを申し入れたが、強い姿勢を堅持し、記者の即時解放を求めるべきである。また、こうした事態に対抗するためにも、スパイ防止法の制定を急ぐ必要がある。