福岡県議会、百条委設置を可決 委員選任や第三者委との連携が課題
福岡県議会、百条委設置を可決 委員選任や第三者委連携が課題

金銭授受疑惑などに揺れる福岡県議会で17日、強い調査権を持つ調査特別委員会(百条委員会)の設置が決まった。正副議長ポストなどを巡る疑惑と高額な海外視察について議会自ら調査を行うもので、実態解明につながるか注目される。今後、委員の選任など具体的な運用の議論が始まるが、人選の難航が予想されるほか、弁護士で構成する第三者委員会との連携や整合性も課題となる。(手嶋由梨、前田敏宏、山之内大空)

賛成多数で可決、4回目の本会議

百条委の設置議案は、議長就任前の金銭支払いを証言した吉松源昭議員ら超党派の議員9人が13日に提出した。9月定例会の閉会予定日の16日に上程されたが、議論は紛糾。17日午前4時過ぎ、4回目の本会議で賛成多数で可決された。

地方自治法100条に基づく百条委は関係者の出頭を命じる強い権限を持ち、正当な理由のない証言拒否や虚偽証言には罰則がある。今後、議会内で委員の選任や調査事項、スケジュールなど具体的な協議に入る。

委員選任の難航が予想される

最初の課題は、委員の選任だ。議案では、委員は正副議長経験者を除く議員15人で構成し、「議案の提出者を委員とすることを基本とする」とした。ただ、採決前の議論でも「提案者の中にも公費で海外視察に行った議員はいる」「選挙で争う議員から調査を受けることになった場合、公平性はどう担保するのか」などの指摘が相次いだ。

最大会派・自民党県議団の渡辺勝将会長は、正副議長や常任委員長など役職経験者が多いとし、「公平性や中立性を考えると会派から委員は出せない」と明言する。負担がかかる委員の選出は難題となりそうだ。

第三者委との連携、誹謗中傷への懸念も

今年度末までの報告書提出を目指し、調査を始めている第三者委との関係も注目される。議案には「第三者委からの調査資料の請求があったときには積極的に協力するなど、緊密に連携を図る」と記載された。ただ、第三者委側とのすりあわせは行われておらず、今後の課題となる。

SNSなどでの誹謗中傷への懸念も根強い。知事の内部告発問題を調査する百条委員会を設置した兵庫県議会では委員を務めた男性議員を中傷するSNS上の投稿が相次いだ。男性は2025年に亡くなり、自殺とみられている。

公明党県議団の新開昌彦団長は「特定の個人や調査に当たる人への不当なプライバシー侵害や名誉毀損、過度なバッシングが発生しないように細心の注意を払う必要がある。証言者が望めば非公開とする運用にすべきだ」と主張している。