フランス中部の小さな都市リモージュ。2026年10月18日の午後、その中心部に100人を超す人々が集まり、市庁舎の残骸をぼうぜんと見つめていた。
黙って立ち尽くす人もいれば、建物の骨組みにカメラを向ける人もいた。前夜の火災でほぼ全焼し、なお煙を上げていた。
19世紀後半の建物、残ったのはわずか
19世紀後半に築かれた灰色の石壁と、いくつかの割れた窓のほかは、ごくわずかしか残らなかった。屋根も、正面の時計もない。かつて建物の上にそびえていた金属製の鐘楼さえもなくなった。
「残ったのは写真だけだ」と、ジル・ペニュランさん(64)は、妻のシルビーさん(61)と残骸を見つめて話した。2人は35年前、この建物で結婚式を挙げた。壮大な階段や絵画のコレクションを覚えているという。
デモ参加者が市庁舎に乱入、炎上
市庁舎は2026年10月17日のデモの最中に、一部の参加者が乱入した後、炎に包まれて壊れていった。フランス全土では、この一連のデモで約2000人が逮捕されている。
ジルさんは割れた窓の向こうに、かつての思い出の場所を見つめながら、失われたものを惜しんでいた。