酒に酔って乗用車を運転したとして道路交通法違反(酒酔い運転)の罪に問われた元広島県警職員の男性被告(66)に対し、広島地裁呉支部は19日、拘禁刑10カ月執行猶予3年(求刑拘禁刑10カ月)の判決を言い渡した。
基準の2倍超のアルコール検出
判決によると、被告は8月1日夕、呉市内で酒に酔った状態で乗用車を運転した。酒酔い運転の基準の2倍を超える、呼気1リットルあたり1・15ミリグラムのアルコールが検出された。
今城智徳裁判官は「運転は極めて危険だった。飲酒運転に対する規範意識は鈍麻していると言わざるを得ない」と指摘。一方で、治療に家族として協力する旨の書面を提出していることなどを挙げ「社会内での更生の機会を与えるため、執行を猶予するのが相当」との判断を示した。
ほぼ毎週末、車で出かけ酎ハイを購入
公判では、被告が飲酒運転を繰り返していた実態が明らかになった。56歳で病を患って酒量を減らし、自宅では350ミリリットルの酎ハイか発泡酒だけにしていた。だが、60歳の頃からほぼ毎週末、車で出かけ、コンビニなどで酎ハイを買って飲んで運転した。
今回、罪に問われた8月1日は朝から車で出掛け、コンビニで500ミリリットルの酎ハイを飲み、散髪を終えて350ミリリットルの酎ハイを飲んで運転して帰宅した。
脱輪事故後、空き缶を捨て発覚免れようとする
午後も車で出掛け、東広島市で食事をし、その後、酎ハイ350ミリリットル1本と500ミリリットル1本を飲んで運転。道路脇に脱輪する事故を起こし、車内にあった酎ハイの空き缶を側溝に捨てて発覚を免れようとしたという。検察は「32回にわたり、外側線や中央線をまたぐなど危険な運転を繰り返した」と指摘した。
被告は、検察側の被告人質問で飲酒運転について問われると「酒を飲みたいという欲求に負けた」と答えた。初公判の最後で裁判官に「悔やんでも悔やみきれません。深く反省しています」と言い、アルコール依存症の治療を受けることを誓った。
県警は全職員にアルコール依存症チェックテスト
今月9日には元府中署巡査の男性被告(27)も酒酔い運転の罪で拘禁刑10カ月執行猶予3年の有罪判決を受けた。
県警監察官室はこれらの事案を受け、全ての職員に対してアルコール依存症のチェックテスト「AUDIT」を行うなどとしている。