福島第一原発事故で全町避難を経験した大熊町に2日、原発事故後、町内では初となるスーパー「マルト大熊店」が開店した。開店直後から大勢の町民らが訪れ、一時、入場制限がかかるにぎわいをみせた。
町内初のスーパー、生鮮食品や生活雑貨を幅広く扱う
町内にはコンビニ店が2店舗あるが、生鮮食料品や生活雑貨を幅広く扱う店はなかった。店舗があるのは、JR大野駅西側の町有地。優先的に除染された元帰還困難区域で、2022年6月に特定復興再生拠点区域(復興拠点)として避難指示が解除された。
鉄骨平屋の店舗(売り場面積約2300平方メートル)は町が整備し、浜通りを中心に店舗を展開するマルトグループホールディングス(いわき市)が運営する公設民営型。賃料は5年間免除される。
帰還や移住の後押しに期待
大熊町に住民登録をし、実際に住んでいる人は約1250人と震災前の1割程度にとどまる。スーパーの開業は帰還や移住の後押しになると期待されている。
この日、開店を記念して行われたセレモニーで、吉田淳町長は「単なる買い物の場にとどまらず、新たな交流を生み地域ににぎわいと活力をもたらす大切な拠点になる」と力を込めた。
買い物の利便性向上、住民から歓迎の声
同町下野上の女性(78)は米やヨーグルトを購入。これまでは娘が運転する車で週1回、いわき市まで買い物に出ていたという。「みんなが待ちに待っていた。これからは散歩がてら歩いて買い物に行ける」と笑みを浮かべた。
同町野上の男性(72)も「買い物がだいぶ楽になるのでうれしい。これを機に住民が増えてくれたら」と話した。