ストーカー規制法改正へGPS装着義務化急げ 産経新聞社説
ストーカー規制法改正へGPS装着義務化急げ

警察庁の有識者検討会が、ストーカー加害者への衛星利用測位システム(GPS)端末装着の是非について議論を始めた。産経新聞は社説で、重大犯罪の抑止という規制法成立の趣旨に照らし、効果が見込める加害者へのGPS端末装着は義務化を急ぐべきだと主張した。

桶川事件契機に成立も悲劇繰り返す

ストーカー規制法は「桶川ストーカー殺人事件」を契機に議員立法で成立し、平成12年11月に施行された。予測される重大事件を未然に防ぐことを旨とする法律である。

今年3月、東京・池袋の商業施設でアルバイトの女性が元交際相手の男に刺され、亡くなった。男は昨年12月、女性へのつきまとい行為で警視庁にストーカー規制法違反容疑で逮捕され、同法に基づくストーカー行為の禁止命令を受けていた。男は「もう近づかない」と述べていたというが、結局は犯行に及び、自殺した。

GPS装着で接近事前把握、被害者守る

何度となく、同じ悲劇が繰り返される。その度、規制法も改正を重ねてきたが、無力、非力であり続けている。

GPS端末が適正に運用されれば、被害者は加害者の接近を事前に知ることができ、避難や通報することが可能となる。これにより加害者が重大な犯行に至らなければ、自ら命を絶つこともなかった。GPS端末の活用は、加害者を守ることにもつながる。

強い犯意や殺意を持った加害者を警察が連日24時間監視下に置くことは、事実上不可能である。被害者への接近時のみ端末が反応する仕組みは常時監視には当たらず、禁止命令を順守している限り、加害者の生活に不自由はないはずだ。

憲法の移動の自由、妨げにならず

議論では、移動の自由を保障する憲法との兼ね合いなども論点となるだろう。だが移動の自由を保障する憲法22条第1項は「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する」とうたっている。規制法に基づく禁止命令を無視する行為は「公共の福祉に反する」と考えられ、端末装着の妨げとはなり得ない。

有識者検討会には、迅速な議論が求められる。会議が踊る最中に新たな悲劇が繰り返されるようなことは、決してあってはならない。何より優先すべきは被害者の安全である。新たな犠牲者を出さないという、強い決意を示してほしい。