世界中で国債価格が大幅に下落し、債券市場に異常な動きがみられる。日本の10年物国債利回りは8月18日に一時2.95%台に乗せ、1996年以来30年ぶりの水準となった。慶応義塾大学大学院の小幡績教授は、この状況を「21世紀最大の金融危機」が迫っている可能性があると指摘する。
専門家の予測はなぜ外れるのか
小幡教授は、現在の市場について「何が何だかわからない」と表現し、専門家とされる人々の発言の多くが「ほとんど間違っている」と指摘する。その理由として、専門家には自身の専門分野のロジックや理論、学派があり、それに沿った話し方や予測しかできない傾向があると説明する。「ポジショントーク」という側面もあるが、正確には専門分野の枠組みに縛られるためだと述べている。
債券市場に何が起きているのか
債券、為替、株式の中で、まず分析すべきは債券だという。小幡教授は「債券は理屈、株は欲望を表している」とし、為替はその両方を含むと解説する。実際、世界中の国債価格は継続的に下落しており、日本の長期金利も右肩上がりで上昇している。
特に注目すべきは、利回りの上昇カーブが下に凸の弓なりになっている点だ。株式市場でこのような形状が見られた場合、上昇率が加速度的に増加するバブルを示すが、国債の場合は「暴落」が加速していると解釈できる。
今後の見通し
小幡教授は、願望シナリオを一切入れず、事実だけを整理して現実を透視し、将来を見る足掛かりとする議論が必要だと主張する。市場の行方は依然として不透明で、今後の展開を見極めるには、債券市場の動向を注視することが重要だ。



