敬老の日の21日、千葉県山武市蓮沼地区で、平均年齢81歳の女性6人が営むピザ店「BaBaピザ」が人気を集めている。今年でオープン7周年を迎え、「おいしいし、元気をもらえる」と県内外から多くの客が訪れている。
笑い声絶えない店内、注文から焼き上げまで
19日午後、店内では赤いハンチング帽をかぶり、ネクタイを締めた橋本京子さん(88)と秋葉松江さん(79)が、客と談笑しながら注文を聞き取っていた。注文が入ると、高宮孝子さん(77)が生地を広げ、「一番の若手」という土屋やす江さん(76)が九十九里産ハマグリの煮汁とホワイトソースを煮詰めた特製ソースを塗る。チーズやハマグリ、自家農園のタマネギをトッピングするのは土屋美恵子さん(81)と最年長の小林トキさん(89)。小林さんが運んだピザを橋本さんが窯に入れると、店内は香ばしいにおいに包まれた。
県内外から訪れる客、女性たちの意気込み
茨城県石岡市の公務員(26)はテレビの特集で店を知り、1時間半かけて訪れた。「店員さんがみんな気さくで元気。こちらも元気をもらった」と話し、「かめばかむほどハマグリの風味が強く感じられ、とてもおいしい」とハマグリピザを味わった。千葉市緑区の主婦(74)は「みんな若々しく、お店のことが大好きなんだなと伝わってくる。ずっと続けてほしい」と語った。
6人はボランティア活動で知り合った数十年来の友人で、元々は道の駅での出店でおにぎりや山菜の天ぷらを販売していた。雨風をしのげる場所を求め、道の駅の向かいの空き店舗を紹介され、2019年6月に「BaBaピザ」をオープンした。店名は「おばあちゃんが店をやっているから」と決めたという。
コロナ禍を乗り越え、今後も元気に
地元産のイワシやハマグリ、ネギを使ったピザとアットホームな雰囲気で人気が沸騰し、多い日には100枚のピザを提供することもあった。コロナ禍ではイートインを一時休止したが、感染防止用のついたてを設置し、テイクアウト販売に力を入れて乗り切った。
橋本さんはくも膜下出血や狭心症などを患っていたが、「店を始めてから元気になった」と笑う。高宮さんも「家にいたらひとりぼっち。ここに来ればたくさん話ができて笑いあえる」と語る。2023年度には、内閣府の「社会参加活動事例」に認定された。
「私が100歳になるまであと12年だけど、それもわけないわね」と橋本さんが話すと、「楽しく元気に続けよう」「100歳になるまで頑張ろうね」と他の5人が返し、店内はこの日一番の笑い声に包まれた。営業は金土日の週3日間、午前11時から午後3時まで。



