5歳で空襲経験の86歳、鈴鹿市で講演「トラウマだった」
5歳で空襲経験の86歳、鈴鹿市で講演「トラウマだった」

5歳の時に空襲を経験した三重県鈴鹿市の下村喜久男さん(86)が23日、「戦争の記憶 平和への願い」と題して市立図書館で講演した。高齢になり「最後の機会になるかもしれない」との思いを抱きつつ、当時住んでいた玉城町での記憶を振り返りながら、戦争の悲惨さを訴えた。

空襲の記憶とトラウマ

1945年。7月28日に津市で空襲があった。「玉城町から津市の方角に、花火のような細い火が落ちていく様子が見えた」と話す。

翌29日には同県伊勢市も空襲を受けた。米軍の爆撃機が何十機と飛んでいく轟音を聞いた。朝になると煙と灰が見え「どす黒く、気持ち悪い光景が広がっていた。30年ぐらい前までは、プロペラ機の音がすると身構えた。それぐらいトラウマだった」とはっきりした口調で語った。

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終戦と誕生日の思い

8月14日には同県玉城町の自宅近くの民家が攻撃を受けた。「家の中で窓ガラスや柱時計が揺れたのを覚えている」。しばらくして3歳年上の兄が見に行くと「悲惨な光景に、兄は夕食を食べることができなかった」と記憶をたどった。15日には終戦を迎えた。

下村さんは39年12月8日に生まれた。2年後のこの日、太平洋戦争が始まる。「毎年、誕生日に戦争のことが報道される。戦争のことは意識せざるを得なかった」。講演を終えると、下村さんは「戦争の悲惨さを訴えるため、できる限り今後も活動を続けたい」と力を込めた。

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