熱中症の本当の恐怖:脳だけでなく肝臓・腎臓も弱らせる、回復後2~3日は要注意
熱中症の本当の恐怖:肝臓・腎臓にもダメージ、回復後2~3日注意

今年も猛暑が予想される日本。熱中症は脳の症状だけでなく、肝臓や腎臓にも深刻なダメージを与えることが、医師から警告されている。立川パークスクリニック院長の久住英二医師は、「熱中症を軽く見ている人が多いが、本当の怖さは全身の臓器がドミノ倒しのように機能低下することだ」と指摘する。

熱中症の本当の恐怖:脳だけではない臓器ダメージ

熱中症と聞くと、多くの人は「めまい」「立ちくらみ」「のぼせて倒れる」といった脳や神経の症状を思い浮かべる。しかし、久住医師によれば、これらは氷山の一角に過ぎない。実際には、熱中症は全身の臓器に同時多発的にダメージを与え、特に「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓と腎臓への影響が深刻だという。

欧州では気温が40℃を超える日々が続き、すでに数千人規模の暑熱関連死が報告されている。日本でも7~8月は昨年を超える高温が予報されており、災害級の酷暑が予想される。久住医師は「自分は体力があるから大丈夫」と考える人にこそ、熱中症の本当のリスクを知ってほしいと訴える。

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肝臓・腎臓へのダメージが顕在化するのは回復後2~3日

熱中症による臓器障害の怖さは、症状がすぐに現れるとは限らない点にある。久住医師は「回復後2~3日経ってから、肝臓や腎臓の機能低下が明らかになるケースがある」と警告する。熱中症で倒れた後、一時的に回復しても、体内では臓器障害が進行している可能性があるのだ。

特に腎臓は、熱中症によって以下の3つの理由で機能が低下しやすい。第一に、脱水による腎血流の減少。第二に、体温上昇による直接的な細胞障害。第三に、筋肉の融解(横紋筋融解症)によって生じたミオグロビンが腎臓を詰まらせることだ。これらの要因が重なり、急性腎障害を引き起こすリスクが高まる。

肝臓が壊れる3つのメカニズム

肝臓も熱中症の標的となる。久住医師は肝臓障害の3つの機序を説明する。まず、熱による直接的な肝細胞の障害。次に、全身の血流低下による肝臓への酸素供給不足。最後に、炎症反応によって放出されるサイトカインが肝臓を攻撃することだ。これらのダメージが蓄積すると、肝不全に至る可能性もある。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、初期の障害では自覚症状がほとんどない。そのため、熱中症を経験した人は、回復後も定期的な血液検査などで臓器の状態を確認することが重要だ。

夏のNG行動:肝臓と腎臓を弱らせる習慣

久住医師は、夏場に特に避けるべき行動として、過度のアルコール摂取と市販の鎮痛剤(NSAIDs)の連用を挙げる。アルコールは脱水を促進し、肝臓に直接的な負担をかける。また、NSAIDsは腎臓の血流を低下させるため、熱中症のリスクを高めるという。

さらに、運動中の水分補給不足や、エアコンを使わずに我慢することも危険だ。特に高齢者や基礎疾患を持つ人は、体温調節機能が低下しているため、注意が必要である。

大切な臓器を守るために:予防と早期対応

熱中症による臓器障害を防ぐには、予防が最善の策だ。こまめな水分補給(経口補水液が理想的)、適切なエアコン使用、日中の外出を避けることが基本となる。また、熱中症が疑われる症状(めまい、頭痛、吐き気など)が現れたら、すぐに涼しい場所で休み、必要に応じて医療機関を受診することが重要だ。

久住医師は「熱中症は命に関わるだけでなく、回復後も臓器障害が残る可能性がある。特に肝臓や腎臓は一度ダメージを受けると、完全に回復しないこともある」と強調する。今年の猛暑を乗り切るためには、熱中症を軽視せず、適切な対策をとることが不可欠だ。

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