「酷暑日」元年の夏に注意すべき皮膚疾患3選 湿疹・じんましん・帯状疱疹の医師解説
「酷暑日」元年の夏に注意すべき皮膚疾患3選

2026年の夏は、最高気温40度以上の「酷暑日」が気象庁により新たに定義されてから初めて迎えるシーズンとなる。全国的に気温は平年より高いと予想され、記録的な猛暑への警戒が強まっている。こうした中、体調管理の一環として見落とせないのが皮膚や免疫のトラブルだ。クリニックフォアの医師が、夏に増える3大不調のメカニズムと対策を詳しく解説する。

酷暑で悪化しやすい3大皮膚疾患

「いつもの夏バテ」「そのうち治る」と思って放置している症状の中には、早期に医療機関に相談することで悪化を防げるケースもある。酷暑シーズンに見落とされがちな不調として、大人の湿疹(汗疹・汗疱・脂漏性皮膚炎など)、じんましん(コリン性じんましん/汗じんましん)、帯状疱疹の3つが挙げられる。医師は「これらは『対面・救急に行くほどではないが、放置すると長引いたり悪化しやすい』領域で、早期受診と適切な処方で経過が変わるケースが少なくありません」と指摘する。ただし、熱中症が疑われる症状(意識障害やけいれんなど)の場合は、ためらわずに救急受診が必要だ。

猛暑で湿疹が悪化する理由

猛暑下では、皮脂や発汗、蒸れ、紫外線、冷房による乾燥などで皮膚バリアが乱れやすく、汗疹(あせも)や汗疱、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎の悪化などの湿疹が増えやすい。掻き壊しによる重症化や、とびひなどの細菌感染の合併、色素沈着が残る可能性もあるため、1週間以上引かない、同じ部位に繰り返す、ジクジクが続く場合は、皮膚科への早めの相談が推奨される。

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じんましんが増える原因とコリン性じんましん

猛暑下では発汗や運動、緊張、入浴などが引き金となり、ピリピリとした小さなじんましんが出るケースが増加する。代表的なのが「コリン性じんましん」(神経伝達物質アセチルコリンが関与)と「汗じんましん」(汗そのものが刺激となるタイプ)で、20〜30代にも多くみられる。多くは抗ヒスタミン薬の内服でコントロール可能だが、呼吸困難や口唇・顔の腫れを伴う場合(アナフィラキシー)は、対面受診や救急受診が必要だ。

夏に帯状疱疹が増える理由とワクチン接種

連日の高温による疲労蓄積、寝苦しさによる睡眠の質低下、紫外線ストレスなどが重なると、一時的に免疫機能が低下し、神経節に潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化することがある。発症初期は片側のピリピリ・チクチクした痛みや、赤い発疹・水疱が特徴だ。発症72時間以内に抗ウイルス薬の投与を開始することが、重症化や帯状疱疹後神経痛の予防に重要とされる。

厚生労働省の制度により、2025年4月から65歳の方を対象に帯状疱疹ワクチンが定期接種化された。経過措置として、2025〜2029年度の5年間は70歳以上の5歳刻みの年齢に達する方も対象となる。50歳以上の方は任意接種が可能で、対象や費用助成の有無は自治体により異なるため、住まいの自治体やかかりつけ医に確認が必要だ。

早期受診とオンライン診療の活用

「そのうち治る」という過信が重症化を招きかねない酷暑シーズン。医師のアドバイスをもとに、セルフチェックで早めの受診を心がけたい。ただし、暑い日中に外出すれば体調悪化の引き金になることもあり、対面外来の予約が取れず機会を逃すケースも少なくない。そうした場合、自宅などから受診できるオンライン保険診療も選択肢の一つだ。ただし、医師は「強い症状や緊急性のある症状(眼周囲・顔面の帯状疱疹、広範囲の水疱、アナフィラキシー、意識障害など)の場合は対面診療や救急受診が望ましい」と述べており、状況に応じた適切な医療機関の選択が重要となる。

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