アホウドリ、鳥島で1万羽超回復 絶滅宣言から保全活動実る
アホウドリ1万羽超回復 絶滅宣言から保全実る

山階鳥類研究所は、東京から約600キロ南の伊豆諸島・鳥島に生息するアホウドリが、2025~26年の繁殖期に個体数1万羽を超えたと発表した。戦後の乱獲で一度は絶滅宣言されたが、長年の保全活動が実を結んだ。

アホウドリの生態と乱獲の歴史

アホウドリは成鳥の翼開長が2メートル超、体重4~5キロの日本最大級の海鳥。夏は海上で過ごし、秋に繁殖地に戻り冬に集団子育てする。地上での動きが鈍く警戒心が薄いため「アホウドリ」と呼ばれる。

約150年前は北太平洋西部の島々に数十万羽いたが、1890~1900年代の羽毛目的の乱獲で激減。1949年に米国鳥類学者が絶滅宣言したが、1951年に鳥島測候所スタッフが再発見。当時15羽程度から国や研究所が保全を開始した。

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保全活動と個体数回復の推移

山階鳥類研究所の富田直樹研究員によると、鳥島ではデコイ(模型)設置や繁殖地の土砂流出防止工事を実施。推定個体数は1992年500羽、2000年1300羽と増加し、繁殖地は初寝崎、子持山、燕崎の3か所に拡大した。

個体数調査は、ヒナは足環装着時に計数、繁殖ペアは巣数から2倍と推定、6歳以下の若鳥はヒナ数に死亡率5%を仮定して算出。2025~26年繁殖期はヒナ1591羽(前回比約2割増)、ペア2114組(4228羽)、若鳥5248羽、合計1万1067羽と推定された。富田研究員は「誤差を考慮しても1万羽超」と述べた。

絶滅危惧種からの移行条件

アホウドリは環境省レッドリストで絶滅危惧II類。準絶滅危惧種への移行には、個体数増加に加え、鳥島の繁殖地改善や小笠原諸島聟島、尖閣諸島南小島など他島での繁殖増加が必要。

富田研究員は「乱獲で絶滅宣言が出た『アホウ』な歴史を持つアホウドリ。人間の手で回復の成果が出つつあるが、まだ通過点。保全を続ける必要がある」と話した。

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