市販薬や処方薬を過剰に摂取する「オーバードーズ(OD)」を防ごうと、子どもたちへの様々な対策や啓発が行われている。
10代の患者でODが主因の割合が増加
ODは急性中毒症状として意識障害や呼吸障害などを起こし、死に至ることもある。生きづらさを抱えた若者が、つらい気持ちを和らげる目的などで薬に救いを求めるケースも多いとされる。
厚生労働省によると、全国の精神科医療施設で薬物依存症の治療を受けた10歳代の患者のうち、ODが主な原因の割合は年々増加し、2024年は7割に上った。
啓発冊子や販売規制の強化
厚労省は昨年、小学生と中高生向けにそれぞれ啓発用の冊子と動画を作成し、ホームページで公開した。今年5月には、乱用の恐れがある風邪薬や解熱鎮痛剤などを、18歳未満が複数個や大容量の購入をできないよう販売規制を強化した。
薬物乱用防止の授業などでODを扱うことも増えている。鹿児島県薬剤師会は小中高校の授業で活用するパンフレットを24年に刷新し、ODの項目を追加した。福岡市の大賀薬局は今夏、小学生向けの啓発イベントを初めて開催した。
製薬会社による啓発カードの配布
製薬会社「シオノギヘルスケア」(大阪)はパンフレットや、相談先の一覧を見られるQRコードを載せたカードを作り、学校やドラッグストアなどで配布している。担当者は「ODはSOSの表れともいえる。子どもたち自身や家族が周囲に相談し、支援につながる助けになれば」と話している。



