大阪市と周辺3市で構成する一部事務組合「大阪広域環境施設組合」は、ごみ処理能力の低下に伴い、約330万人を対象にごみ減量への協力を呼びかけている。焼却工場の建て替えや故障が重なったことに加え、大阪市では外国人観光客の増加などでごみの量が増加に転じたためで、異例の規模となっている。
焼却工場の建て替え・故障で処理能力が低下
組合は7月13日から、ごみ処理能力の低下に伴う減量への協力を求めている。7か所ある焼却工場のうち、鶴見工場は2023年4月から建て替え中で、西淀工場は今年6月に焼却炉の故障で稼働を停止した。その後も復旧と故障を繰り返し、受け入れを一部制限している影響が大きいという。
組合では7月、搬入ごみを一時保管するピットの貯留率が全体で105%に達した。8月6日から堺市に1日100トン程度の家庭ごみを受け入れてもらったものの、堺市の工場は定期整備工事に入るため、8月末に終了。現在は別の自治体に委託する方向で調整している。
大阪市内のごみ増加が誤算に
組合にとっての誤算は、大阪市内のごみの増加だ。組合は2020年、4市が算出した搬出ごみの計画量に基づき、工場の運用や老朽化対策などの方針を策定した。全国的にごみが減る中、2019年度に100万トン超だった処理量は年々減少し、2025年度は94万9千トンになると見込んでいた。
しかし、コロナ禍後の経済活動の活発化や外国人観光客の増加などで、2025年度は88万4千トンに増加。2024年度の4市のごみ処理量は100万2千トンとなり、5年ぶりに100万トンを超えた。
組合は現在、定期整備工事の時期を先送りするなどして、ごみの受け入れを優先している。ただ、6工場のうち、供用年数が20年超と30年超は二つずつあり、組合内には「故障リスクが高まっている」とみる向きは多い。実際、整備工事を先送りした設備が故障した例もある。
減量への協力呼びかけ、生ごみ「3きり運動」を周知
組合や大阪市は、ホームページで減量化を呼びかけている。市環境局は生ごみの「使いきり・食べきり・水きり」を心がける「3きり運動」を周知している。生ごみは2024年度に市内で出た家庭ごみのうち、普通ごみの3分の1を占めた。生ごみの8割は水分で、ごみを出す前にしっかり絞れば、相当量の減量が図れるという。
家庭ごみより1.6倍多いのが事業系ごみだ。大規模事業所では2024年度、そのうち5割が生ごみだった。市は食品ロスを減らすため、飲食店での会食や宴会で開始30分と最後の10分を食べる時間に充てる「30・10運動」を推奨している。
大阪市の横山英幸市長は1日の記者会見で「分別や減量のご理解をいただきながら、可能な限り早く逼迫状況の解消に取り組む」と述べ、八尾、松原、守口の周辺3市と連携し、ごみ処理の早期正常化を図る考えを示した。組合によると、減量化の実績が分かるのは約2か月後といい、市民や事業者の継続的な協力が必要となっている。



