光遺伝学の臨床試験で視機能一部回復、網膜色素変性症患者6人に効果
光遺伝学の臨床試験で視機能一部回復、網膜色素変性症患者6人に効果

2026年のノーベル生理学・医学賞の対象となった「光遺伝学」の手法を用いた臨床試験で、目の難病患者の視機能が一部回復したと、欧米の研究チームが発表した。結果は8日付の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」に掲載された。

光遺伝学とは何か

光遺伝学は、光によって神経の活動を制御する技術だ。微生物のクラミドモナスが持つ光受容たんぱく質「チャネルロドプシン」を哺乳類の神経に組み込むことで、生きたまま脳の活動を観察できるようになった。この技術を応用し、光で神経活動をコントロールして目の難病治療に役立てる研究が進んでいる。

臨床試験の内容と結果

研究チームは、視力がほとんど失われた網膜色素変性症の40~70代の患者10人を対象に臨床試験を実施。安全性と光の感受性の変化を調べた。まず、チャネルロドプシンが網膜の神経節細胞で作られるよう、片方の目に注射して遺伝子を組み込んだ。その後、チャネルロドプシンが反応しやすい波長に変換する特殊なゴーグルを着用してもらい、光の情報を網膜に届けた。

その結果、10人中6人で光の感受性が4倍以上に向上したことが確認された。