厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンの接種後に死亡した事例について、一部でワクチンとの因果関係を否定できないとする初の見解をまとめた。これまでに報告された死亡例は約300件に上り、同省の専門家部会が個別に評価した結果、複数のケースでワクチン接種が死亡に影響した可能性が否定できないと判断した。
評価の対象となった事例
専門家部会は、2021年2月のワクチン接種開始以降に報告された死亡事例のうち、特に詳細な調査が必要と判断したケースを検討。その結果、ワクチン接種後に発症した血小板減少症や血栓症などが死因に関連した可能性があると結論づけた。厚労省は「ワクチン接種と死亡の因果関係を完全に否定することは困難」とし、引き続き情報収集と分析を進める方針を示した。
ワクチン接種のメリットを強調
一方で、厚労省は「ワクチン接種による感染予防効果が副反応のリスクを上回る」との従来の立場を堅持。専門家部会の委員は「死亡例の多くは高齢者や基礎疾患を持つ人で、ワクチン接種が直接の死因とは断定できない」と指摘する。厚労省は、接種後に死亡した事例について医療機関からの報告を求め、原因究明を進めている。
今後の対応
厚労省は、ワクチン接種後の健康被害に関する情報を随時更新し、国民に適切な情報提供を行うとしている。また、副反応疑い報告の基準を見直し、より迅速な対応を図る方針だ。専門家は「ワクチンの有効性とリスクを正しく理解した上で接種を判断することが重要」と話している。



