「遠い存在」のiPS治療が自分の元に 心筋シート移植で日常を取り戻した60代男性
「遠い存在」のiPS治療が自分の元に 心筋シート移植で日常を取り戻した60代男性

人工多能性幹細胞(iPS細胞)による治療を「遠い存在」と思っていた60代男性が、2度目の心筋梗塞後の治験で心筋細胞シートの移植を受け、仕事やゴルフを楽しむ日常を取り戻した。令和4年に順天堂大付属病院で行われた手術の経緯と現在の心境を、本人へのインタビューで伝える。

2度目の心筋梗塞と治験への参加

男性は平成22年9月に初めて心筋梗塞を発症し、令和4年5月に2度目を発症。その後は強い疲労感や息切れに苦しみ、気持ちも落ち込んでいた。自宅でぐったりしていることも多かったという。

令和4年6~9月ごろ、順天堂大の外来で主治医から、iPS細胞から作った心筋細胞をシート状に加工し、心臓の表面に貼る治療の治験参加について説明を受けた。この治験は大阪大などが令和2年から全国4大学で8人を対象に進めていたものだ。

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新幹線で運ばれた心筋シートと移植手術

「もしかすると治るかもしれない」。男性は心配より希望が勝ったという。移植に使われたシートは大阪で作られ、冷蔵容器に収めて約500キロ離れた東京の順天堂大へ新幹線で運ばれた。

移植後は自宅でぐったりすることが減り、仕事やゴルフを楽しむ日常を取り戻した。心筋細胞シートは今年3月、再生医療等製品「リハート」として条件・期限付き承認を受けており、男性は承認を「一筋の光」と受け止めている。

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