熱中症は脳だけでなく腎臓や肝臓も弱らせる…回復後2~3日は要注意
熱中症は腎臓や肝臓も弱らせる…回復後2~3日注意

今年も猛暑が予想される日本。熱中症の危険性が叫ばれる中、脳への影響だけでなく、肝臓や腎臓にも深刻なダメージを与えることが、医師の久住英二氏(立川パークスクリニック院長)によって指摘されている。熱中症は単なる暑さによる体調不良ではなく、全身の臓器に負荷をかける恐ろしい疾患だという。

腎臓と肝臓へのダメージメカニズム

熱中症が進行すると、体温調節のために皮膚へ血液が集中し、内臓への血流が減少する。これにより腎臓や肝臓が虚血状態に陥り、細胞が損傷を受ける。特に腎臓は血液中の老廃物をろ過する機能が低下し、急性腎障害を引き起こす可能性がある。また、肝臓では酵素が上昇し、肝機能障害が発生することがある。

さらに、大気汚染も腎臓ダメージを増大させる要因だ。PM2.5などの微粒子が肺から血管に入り込み、腎臓で炎症を誘発する。猛暑と大気汚染が重なると、リスクは単なる足し算ではなく掛け算で膨れ上がる。空気が淀んで極端に暑い日は、外出を控えることが推奨される。

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回復後も油断は禁物

熱中症から回復した後も、2~3日は注意が必要だ。というのも、臓器のダメージは症状が治まった後も続くことがあるからだ。久住医師は「熱中症の症状が軽快しても、腎臓や肝臓の機能が完全に戻るには時間がかかる。回復後も水分補給を続け、安静を保つことが重要」と警鐘を鳴らす。

実際、熱中症で入院した患者の一部は、退院後に肝臓や腎臓の数値が悪化することが報告されている。特に高齢者や基礎疾患を持つ人は、臓器の回復力が低いため、より慎重な経過観察が必要だ。

予防のための具体的な対策

熱中症は予防可能な病気でもある。久住医師は以下の3点を強調する。

  • 喉が渇く前の水分・ミネラル補給:喉の渇きを感じた時点で既に脱水が始まっている。果糖の少ない飲料で、こまめに水分と電解質(塩分など)を補給することが大切。
  • 意識的な休憩:汗をかく環境では、1時間に1回は涼しい場所で汗が引くまで休憩を取る。皮膚に集まった血液を内臓に戻し、臓器への負担を軽減する。
  • 暑熱順化:本格的な夏の前に、軽い運動や入浴で「上手に汗をかける体」を作っておく。これが最も効果的な防御策となる。

気候変動と熱中症リスク

気候変動による異常気象は遠い国の話ではない。日本でも猛暑日が増加し、熱中症のリスクは年々高まっている。10年後、20年後の健康を守るためにも、人工透析や肝障害を防ぐためにも、「たかが熱中症」と軽視せず、適切な対応を心がけるべきだ。

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