新型コロナワクチン接種後に発症した心筋炎、若年男性でリスク高 厚労省研究班
コロナワクチン後心筋炎、若年男性でリスク高 厚労省研究班

厚生労働省研究班(班長・森尾友宏東京医科歯科大教授)は、新型コロナウイルスワクチン接種後に報告された心筋炎・心膜炎の発生状況を分析し、若年男性でリスクが有意に高いとする中間報告をまとめた。特にファイザー製ワクチン(コミナティ)接種後の10代男性では、接種10万回あたり約2.2件の心筋炎が推定され、他の年代・性別と比較して突出している。

研究の概要と対象

研究班は、2021年2月から2022年6月までの全国の医療機関から報告された副反応疑い症例を解析。対象は、ファイザー製およびモデルナ製ワクチン(スパイクバックス)の接種後に発症した心筋炎・心膜炎の確定症例および疑い症例。解析には、年齢層(10代、20代、30代など)、性別、ワクチンの種類、接種回数(1回目、2回目、3回目)の情報が用いられた。

その結果、ファイザー製ワクチン接種後の心筋炎推定発生率は、10代男性で接種10万回あたり2.2件(95%信頼区間1.5~3.3件)、20代男性で同1.1件(同0.7~1.7件)であった。一方、女性では同年代で0.1件未満と極めて低かった。モデルナ製ワクチンでも同様の傾向が認められ、10代男性で同1.8件(同1.1~2.8件)と推定された。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

発症時期と症状の特徴

心筋炎の発症は、2回目接種後1週間以内に集中しており、特に接種後3日以内の報告が多かった。症状としては、胸痛、動悸、呼吸困難が主で、多くは軽症で自然軽快または治療により回復したが、一部で集中治療を要する症例も確認された。死亡例は報告されていない。

森尾班長は「ワクチンのベネフィットはリスクを上回るが、若年男性は接種後に胸痛などの症状があれば速やかに医療機関を受診してほしい」と注意喚起している。研究班は今後、長期的な予後や追加接種後のリスク評価を進める方針。

国内外の知見と比較

この結果は、米国CDCや欧州医薬品庁(EMA)の報告と一致する。米国では、12~17歳の男性でファイザー製ワクチン接種後の心筋炎発生率が接種100万回あたり約50件と報告されており、日本の数値はやや低いものの同様の傾向を示している。研究班は、人種差や診断基準の違いが影響している可能性を指摘している。

厚労省は、この報告を受け、ワクチン接種後の健康観察や医療機関への情報提供を強化する方針。また、研究班は引き続きデータ収集を継続し、最終報告を2023年度中にまとめる予定だ。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ