愛知県営住宅の一部の自治会から窮状を訴える声が相次いでいる。担い手が減る一方、言葉や生活習慣が違う外国人住民への対応も迫られているためだ。共益費の徴収や住民トラブルの収拾など団地の運営を自治会が担う現状の制度について、限界を指摘する声が上がっている。
ごみ分別の現場で見える課題
9月15日早朝、西尾市の県営緑町住宅の前には、資源ごみの分別回収のかごが並んでいた。川部国弘さん(75)は、分別ルールとは違うかごに入っていたごみを取り出した。
住宅の住民も指導のため当番に立つが、分別のやり直しは、長らく住宅の自治会長を務めた川部さんが自主的に続けている。
「缶」「金属」などと書かれたかごの札は、複数の外国語でも表記されている。外国人住民を意識した対策だが、「日本人でも分別の仕組みがわかっていないから、外国人にも教えられない」と川部さんはこぼす。
国籍問わず存在する課題
緑町住宅は外国人世帯の割合が高く、課題があるのは国籍を問わないという。自治会は共益費の徴収や住民トラブルの収拾など、団地の運営を担ってきたが、担い手の減少や住民の多様化、高齢化によって限界に近づいている。
滋賀大学の島田貴仁教授(犯罪予防・環境心理学)は、外国人住民の増加そのものよりも、これまで自治会の善意や負担によって支えられてきた公営住宅の管理の仕組みが、住民の多様化や高齢化によって限界に近づいていることの方に注目すべきだと指摘している。