人気キャラコラボグッズ、従業員の持ち出し続発 くら寿司や牛角で相次ぐ
人気キャラコラボグッズ、従業員の持ち出し続発

飲食店が企画した人気キャラクターとのコラボレーショングッズを、店の従業員が持ち出す事案が相次いでいる。一部はフリーマーケットサイトに出品されており、金銭目的だったとみられる。キャラクターを応援する「推し活」市場は盛況で、高値がつきやすい土壌がある。専門家は「従業員のモラル頼みには限界がある。コラボグッズのあり方を再検討する時期だ」と指摘する。

配布前からサイト出品

9月3日、フリマサイト「メルカリ」に、本来なら出回っているはずのないグッズが出品された。回転ずしチェーン「くら寿司」が人気キャラ「ちいかわ」とコラボし、利用客への特典として用意した湯呑だ。飲食代3000円ごとに1個入手できるが、提供開始は4日からだった。SNSではほどなく、「(出品者は)くら寿司の従業員だ」などと内部の関与を指摘する声が飛び交った。

会社側の調査の結果、実際に従業員がグッズを持ち出し、サイトに出品していたことが判明。コラボキャンペーンは中止された。

同月14日には、焼肉チェーン「牛角」がアニメ「呪術廻戦」とコラボしたクリアカードに、利用客から「開封された形跡があった」とする内容の投稿があり、SNSで拡散された。カードには登場人物があしらわれ、全部で8種類。開封するまでどの登場人物が入っているかは分からない。従業員がカードの絵柄を確認するため袋を開けたとみられ、運営会社は一部が外部に持ち出されていたと発表。カードは全て返却され、サイトへの出品はなかったとしている。

「おまけ」以上の価値

客向けの特典で利益を得ようとする従業員たち。企業倫理に詳しいオウルズコンサルティンググループの丹波小桃氏は背景として「近年の推し活ブームで、特典は単なる『おまけ』ではなく、希少価値を持つものになっている」と分析する。

フリマサイトやオークションサイトを調べると、人気作品やキャラと飲食店などのコラボグッズが数多く出され、しかも高値で取引される場合もあることが分かる。9月30日から「スターバックスコーヒー」で始まった「ポケットモンスター」との初のコラボキャンペーン。700円ほどの飲料を購入するともらえるステッカーが大量に出品されており、落札価格が飲料価格を上回っていたものもあった。

過去のグッズが数年後に価値を高めるケースもある。ファミリーレストラン「ジョイフル」が令和6年にアニメ「鬼滅の刃」とコラボした際のクリアファイルには最近、6000円超の値が付いた。

コラボ先を厳密に選定

サイト側も対策に乗り出した。メルカリなどフリマサイト大手3社は今年5月、日本マクドナルドの「ハッピーセット」に付属する「ちいかわ」のおもちゃの出品を禁止した。前年にハッピーセットの「ポケモンカード」を巡る転売目的の大量購入や食品廃棄が問題となったため、新たなコラボでは未然防止に踏み切った。

コラボグッズを巡っては、出版社などキャラクターの著作権者側が、作品の知名度を高めるために推し進めてきた経緯もある。丹波氏は、「コラボはファンとの接点を広げる一方、転売や内部不正につながるリスクもある」と指摘。「企業が従業員のモラルに頼らず不正を防ぐ仕組みを整えるとともに、著作権者側も過去の事案を踏まえ、リスクを見据えて提携先を選定する必要がある」と話している。