高市早苗首相は今月中旬にも実施する内閣改造・自民党役員人事で、政策の専門性や実務能力を重視する意向だ。旧派閥への配慮や新たな顔触れによる刷新感の演出より、秋の臨時国会以降に控える重要政策を実現できる布陣づくりに軸足を置く。政策の実行力を高めつつ、党内の不満を抑え、挙党態勢を築けるかが焦点となる。
首相周辺からは「ロジカル」な人選との声
首相側近によると、首相は最近周囲に「今回の人事は大事よ」と漏らしているという。政府高官は「首相は各議員がどんな仕事ぶりだったか、任せるべき仕事は何かと極めてロジカル(論理的)に考えている」と解説する。女性閣僚の数にはこだわっていないとしつつ、実力のある中堅・若手の抜擢はありうるとも語る。
秋の臨時国会以降に難題が山積
政権にとって秋の臨時国会以降、対応を誤れば内閣支持率下落につながりかねない政策テーマがめじろ押しだ。消費税減税では財源確保や給付付き税額控除への円滑な移行、旧姓の通称使用拡大では使用範囲や実効性が問われる。年末には成長戦略を具体化する来年度予算編成や、国家安全保障戦略など「安保3文書」の改定を控える。重点分野への投資と財政の持続可能性の両立、防衛費増額に伴う財源確保など、難しい調整が待ち受ける。
派閥配分の慣例との兼ね合いが焦点
首相は閣僚の人選にあたり、所管分野の専門知識があるか、国会審議で野党の追及に対して安定した答弁を行えるかなどを重視したい考えだという。現職閣僚は「首相の性格からして、旧派閥から人事の要望を受けても素直には応じないだろう」と話すが、自民では長らく派閥の勢力に応じたポスト配分が慣例だった。
2月の衆院選で自民は100議席以上増やし、入閣待機組も大勢復帰した。昨年の総裁選で首相を支援した議員の間にも登用を待ち望む声がある。ただ、首相は日本維新の会に閣僚ポストを一つ与える方針で、限られた枠内で自民議員の期待に応えるのは容易ではない。人事で不満を生めば、来年の自民総裁選での再選戦略にも影を落とす。
政策を担う人材登用と不満を抑える党内融和をどう両立させるか。首相は7日、自身の力量が試される人事を控え、昼に自民の小林鷹之政調会長と萩生田光一幹事長代行、午後に鈴木俊一幹事長と相次いで会談した。



