財務省は4日、2027年度予算の各省庁からの概算要求で、一般会計の要求総額が143兆656億円になったと発表した。26年度の要求総額(122兆4454億円)を約20兆円上回り、4年連続で過去最大を更新した。高市政権が掲げる「責任ある積極財政」に基づく予算編成改革により、要求上限を設けない新たな投資枠の創設や、当初予算と補正予算の一本化で総額が膨らんだ。
投資枠に12兆円超の要求
高市政権の下で編成した26年度当初と25年度補正の合計額(140兆6126億円)との比較では、2兆5000億円程度の伸びとなった。
人工知能(AI)や半導体など戦略分野への投資を対象に新設した「強く豊かな日本」投資枠には、一般会計で計12兆1730億円の要求があった。経済産業省が4兆5250億円、文部科学省が2兆1830億円、国土交通省が1兆5804億円を要求した。政府が大胆な投資を打ち出すことで民間投資を誘発し、経済成長を図る。
国債費と社会保障費が過去最大
足元の市場金利が約30年ぶりの水準に上昇していることを受け、借金である国債の利払いや償還に充てる「国債費」は、過去最大の36兆6386億円に上った。利払い費の算定根拠となる長期国債の想定金利を26年度当初の3・0%から3・8%に引き上げ、利払い費は16兆5888億円を見込んだ。26年度当初の利払い費(13兆371億円)を約3兆5000億円上回った。
また、高齢化に伴い年金や医療などにかかる経費が増えることから、厚生労働省が要求する社会保障費は26年度当初比で約3400億円増の33兆6872億円に上った。
今後の焦点は新規国債発行額
概算要求には、金額を明示しない「事項要求」も数多く並んだ。安全保障3文書の年内改定に伴う防衛費増や消費税減税に伴う農家への支援額などが、年末にかけて具体化する見通しだ。一方、新たな投資枠の要求分については、経済安全保障上重要な施策は特別会計で管理するため、一般会計分が減る余地がある。
高市政権の積極財政への警戒感から、債券市場では長期金利が上昇している。予算編成に向けては、新規国債発行額が焦点となる。高市首相は40兆円程度に抑える方針を示している。



