スポーツの日、制定時の意義を取り戻せ 産経が社説で主張
スポーツの日、制定時の意義を取り戻せ 産経社説

産経新聞は12日付の社説で、「スポーツの日」が制定当時の意義を失いつつあると指摘し、固定祝日への回帰を訴えた。

「体育の日」は昭和39年10月10日の東京オリンピック開幕を記念し、その2年後に祝日法で制定された。10月10日に固定された祝日として親しまれてきたが、「ハッピーマンデー制度」により平成12年から10月の第2月曜日に変更。令和2年からは名称も「スポーツの日」に改められた。

変わる日付と名称、薄れる意義

社説は「日本の戦後復興を象徴した東京五輪の感動と興奮を後世に伝えようという本来の意義が、日付や名称が変わるごとに薄められてはいないか」と疑問を投げかけている。

昭和の東京五輪から62年が経過し、スポーツ界は大きく変化。アマチュアの祭典だった五輪は、多くの競技でプロが世界一の技量を競う場となった。

日本スポーツ界の現状と課題

愛知・名古屋アジア大会では日本選手団が83個の金メダルを獲得し、若い選手らが水陸で世界記録や日本記録を更新。卓球男子団体では王者・中国を破った。米大リーグでは村上宗隆、岡本和真、大谷翔平の3選手が30本塁打以上を記録。サッカー日本代表は欧州で活躍する選手でほぼ占められ、女子ゴルフでは毎年日本選手がメジャータイトルを獲得している。

一方で、トップアスリートへのSNSでの誹謗中傷や、大学スポーツを含む薬物汚染などの不祥事が絶えない。少子化の影響で学校スポーツの多くが存続の危機にあり、子供の運動能力や体力の低下も深刻だ。

スポーツ庁への期待と固定祝日への回帰

こうした課題に対処するため、平成27年にスポーツ庁が文部科学省の外局として設立された。昨年、3代目長官に初めてパラリンピアンから河合純一氏が就任した。

社説は「国際競技力の向上から国民の健康、子供の体力増進など、幅広い課題への辣腕が期待される」と述べ、スポーツの日を施策周知の絶好の機会と位置づけた上で、「その趣旨を明確にするためにも、固定の祝日への回帰を望む」と結んでいる。