ふるさと納税の改革を 自治体財源増やす制度に
ふるさと納税の改革を 自治体財源増やす制度に

ふるさと納税は、寄付を通じてふるさとを応援する制度だ。しかし、実際には寄付額の5割強しか自治体の財源になっていない。制度の趣旨に沿った改革がさらに必要だ。

経費率の上限を段階的に引き下げ

総務省は10月から、ふるさと納税のルールを変更する。現在、返礼品の調達費用や送料、手数料など募集にかかる全ての経費は寄付額の5割以下と定められているが、47.5%以下に引き下げる。

令和7年度の経費率は前年度から1.5ポイント上昇し、47.9%となった。現状のままではルールを逸脱することになる。総務省はその後も段階的に経費率の上限を引き下げ、11年には4割以下とする。

仲介サイトの手数料が問題に

経費引き下げのために、総務省が問題視しているのが仲介サイト運営事業者に対する手数料だ。寄付額の1割超が事業者に流れている。総務省は今年5月、業界団体に加盟する事業者に手数料引き下げを要請し、8月末までに対応方針を回答するよう求めていた。だが、時期や料率を示して手数料引き下げを表明した事業者は1社にとどまった。事業者の多くは、システムの安定化や事業継続性などを理由に手数料を維持すると回答した。

総務省による自治体への聞き取りによると、手数料は以前は寄付額の3~5%だったとの指摘がある。コストの内訳の公表を要請するなどして、手数料が大きく上昇した理由について明確な説明を求め、透明性を高めてもらいたい。

制度の持続に向けた不断の改革を

寄付者の多くは仲介サイトを利用しており、制度定着に果たした役割は大きい。だが、手数料はもともと税金である。本来は自治体の財源になるはずの寄付金が、行政サービスの充実につながらないとすれば問題だ。手数料の高止まりが続くのであれば、一定の規制導入も検討すべきではないか。

ふるさと納税の寄付額は、7年度まで6年連続で過去最高を更新している。一方で過度な返礼品競争によって自治体が税金を奪い合うような現状には依然として批判も多い。自治体を支援する公的制度である以上、「官製通販」と揶揄される状況を改善すべきであることは当然だ。長く続く制度とするために、不断の改革を続けてもらいたい。