改正皇室典範が7月に成立、公布された。柱は、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保てるようにする点と、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えられるようにする点の二つだ。ただ、今後の皇位継承を規定する内容が埋め込まれ、野党からは「だまし討ち」などと批判の声も上がった。
皇族数の確保ばかりに焦点があたったが、見過ごされ、深めるべき議論はなかったのか。天皇制に関する論考を多数執筆している憲法学者の西村裕一・慶応義塾大学教授に聞いた。
「平成流」への反感が根底に
今回の皇室典範改正の議論から見えてきたものについて、西村氏は「象徴天皇制の理解をめぐる対立が根底にある、と感じました」と語る。
「男系男子に固執して改正を進めた人々は、前天皇(現在の上皇)が積極的に『象徴としての務め』の範囲を広げてきた、いわゆる『平成流』に否定的な立場でした」と指摘する。
非人間的な生を押しつける意味
西村氏は、皇族に「非人間的な生を押しつける」意味を考えたいと述べる。皇族数の確保ばかりに焦点があたったが、見過ごされ、深めるべき議論があったのではないかと問いかける。
インタビューでは、生前退位に道を開くことや、象徴天皇制の根源的な問い直しについても議論が及んだ。有料記事のため、続きは会員限定で読むことができる。