わずか3時間の審議で通過した皇室典範改正案
高市早苗首相が強行する皇室典範改正案が、衆議院でわずか3時間の審議、本会議採決は5分で可決された。会期末まで1週間を残す中での性急な手続きに、政治ジャーナリストの城本勝氏は「国家の基本的あり方に関わる法案がこれほど静謐に衆院を通過した例は記憶にない」と指摘する。
改正案の内容と論点
改正案の柱は二つ。一つは女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する(ただし女性宮家の創設は伴わない)。もう一つは、戦後皇籍離脱した旧宮家の男系男子の子孫を皇族の養子とし、その男子の子に皇位継承権を与えるものだ。この変更は皇室典範の本則改正としては戦後初めてとなる。
国会外では、皇室の伝統、憲法論、ジェンダー論、夫婦別姓問題、さらには考古学や遺伝子解析論まで巻き込んだ大論争が起きている。しかし与党は野党の要求を一顧だにせず、改正案の妥当性や整合性を度外視して成立を急いでいる。
なぜ性急なのか
城本氏は「高市首相は何を急いでいるのか」と疑問を呈する。与党は衆参で圧倒的多数を占めており、時間をかけて丁寧な合意形成を図れば、野党の反対があっても正当性が増すはずだ。しかし首相はその気は全くなく、本気で抵抗する野党がないこともあり、改正案を強引に進めている。
背景には、麻生太郎副総裁の強い影響力があるとされる。麻生氏は「愛子さまが皇室を去る日」に向けて突っ走っているとの見方が強く、その復古趣味が高市自民党の多数派の本音を代弁しているとの分析もある。
「愛子天皇」封じの思惑
改正案は実質的に、愛子天皇の可能性を封じる効果を持つ。女性皇族の結婚後も皇族保持は認めるが、皇位継承は男系男子に限定する方向だ。これに対し、識者からは「皇位継承の本質=男系男子という主張は大ウソ」との批判が上がっている。
城本氏は「数の上では圧倒的多数なら、むしろ時間をかけて丁寧な合意形成を図る方が正当性が増すはずだ」と述べ、性急な手法がかえって改正案の正当性を損なうと警告する。



