自民・維新、高齢者医療費窓口負担引き上げ議論開始 年内に一定結論へ
自民・維新、高齢者医療費負担引き上げ議論開始 年内結論へ

自民党と日本維新の会は21日、国会内で社会保障制度改革を巡る実務者協議を開き、70歳以上の高齢者が支払う医療費の窓口負担引き上げに向けた議論を開始した。3割負担の対象者拡大などを議論し、年末までに一定の結論をまとめる方針だ。

現役世代の負担軽減と高齢者の負担増で意見対立の可能性

現役世代の負担軽減を重視する維新は高齢者の負担増を強く求める一方で、自民には大幅な引き上げへの慎重論が根強く、制度設計を巡る議論では意見が対立する可能性もある。

自民の田村憲久元厚生労働相は会合で、高齢者の負担見直しなどは「国民の生活に大きく関わる」と述べ、与党として責任ある議論を呼びかけた。維新側は高齢者の「原則3割」負担を改めて主張しつつ、素早く実施できる制度の見直しを訴えた。

現在の窓口負担の仕組みと見直しの選択肢

医療費の窓口負担割合は現在、現役世代の3割に対し、70~74歳は原則2割、75歳以上が1割となっている。70歳以上でも単身世帯で年収383万円以上など「現役並み」の所得がある人は3割。75歳以上で現役並みの所得はないものの「一定以上」の所得がある場合は2割としている。

高齢者の負担引き上げに関しては、2割や1割に軽減される年齢を引き上げたり、負担割合を細分化して2.5割や1.5割を新設したりする方法がある。また、原則の1~2割よりも高い負担割合となる所得基準を見直して、対象者を拡大することもできる。

構造的な課題と今後の協議

ただ、75歳以上で3割となる基準を見直して対象者を単純に拡大すると、制度の構造上、現役世代が支払う保険料が増える問題を抱えている。この場合、現役世代の負担軽減を図るには新たに公費の投入といった対策の検討が必要だ。

実務者協議は今後、詳細な高齢者の受診動向や家計の状況などを把握し、制度の見直しを進める。ただ、負担を引き上げる所得の基準や年齢の線引きといった具体的な議論になれば両党の間で曲折がありそうだ。田村氏は会合後、負担見直しに関し、高齢者の生活を守りつつ現役世代の負担軽減を図る「難しい連立方程式」だと記者団に強調した。