政府が安全保障関連3文書の年内改定で、今後5年間の防衛費の国内総生産(GDP)比について、トランプ米政権が同盟国に求める「3.5%」の目標の明示を見送る方向で検討していることがわかった。関連経費も含めた防衛費の大幅な増額には踏み出す方針で、防衛力強化の姿勢を示すことで米側の理解を得たい考えだ。
米側は「グローバルスタンダード」と要求
複数の日本政府関係者によると、米国は日本側に対し、GDP比3.5%の防衛費支出が「グローバルスタンダード(世界基準)」だとして、水面下で繰り返し求めてきた。
日本が3.5%の明示を見送る背景には財政事情がある。仮に防衛費を3.5%にすれば年20兆円超になり、財源確保のための増税は避けられない。政府・与党内では、負担軽減を図るとして食料品の消費減税を進めておきながら、国民に大きな負担増を強いるのは政治的に難しいとの見方が強い。
米国の理解を得るための方針
日本政府内では、米国が、防衛産業基盤などを含む長期的な防衛力の強化を重視しており、「3.5%」の明記に固執しないのではないかとの見方もある。防衛力強化に取り組む姿勢を示すことで、米側の理解を得る考えとみられる。
一方、高市早苗首相が安全保障環境の厳しさを理由に防衛力の抜本的強化を打ち出すなか、防衛費については「年10兆円では足りない」(官邸関係者)といった意見が出ており、大幅な増額が見込まれている。
関連経費の拡大も検討
関連経費の拡大も検討されており、防衛力強化に向けた具体的な措置が今後詰められる見通しだ。