誕生日なのに、家族から誰も祝ってもらえなかった女性の投稿が、読売新聞の掲示板サイト「発言小町」に寄せられた。「家族の誰からもおめでとうも言われない、ケーキもない、プレゼントもないごちそうもない」という自身の誕生日に、「怒りより悲しい気持ちの方が強くなった」と綴っている。投稿した女性は、夫や子どもの誕生日には、さまざまな用意をして誕生会を開いているという。
「してあげる側」の女性が傷つく背景
精神科医の香山リカ氏は、この投稿を読み、女性が誕生日にこだわっているのではなく、家族の中で母親である自分がいつも「してあげる側」であり、誰もがそれを当たり前と思っていることに傷ついていると指摘する。
家族の中で女性だけがその「偏り」を担い、傷つくケースは今も少なくないという。香山氏は診察室で、入院が必要な女性患者に伝えた際、付き添いの夫が「その間、オレたち食事をどうすればいいの?」とつぶやく場面を何度か見たと述べている。夫は冷たい人ではないだろうが、妻や母親はいつも元気に家族のために働いてくれると信じ込んでいるのだという。
投稿への共感と今後の課題
この投稿へのレスには、「お祝いを言わせてください!」「かわりにお祝いしてあげたい」という女性たちの言葉が並び、香山氏は胸が熱くなったという。もしかしたらこの女性たちも、日頃は家族の中で自分だけが黙って働くという「偏り」を感じているのかもしれない。
母親だって疲れることもあるし、病気にもなる。ねぎらってほしいし、誕生日には「おめでとう」と祝ってほしい。はっきり伝えないと、家族は気付かないのかもしれない。常識的なことだが、教え伝える役割を担うのは、母親本人ではなく、教育現場やメディアなどではないかと香山氏は考えている。妻、母親の存在について、みんなでもう一度、確認したいと述べている。



