イーロン・マスク氏が主導する「Department of Government Efficiency(DOGE)」が連邦予算の大幅削減を要求したことで、米国議会の予算審議が混迷を極めている。DOGEは、非効率な政府支出を削減し、年間2兆ドルの節約を目指すと主張。しかし、その削減対象には国防総省や医療保険プログラムが含まれており、超党派の反発を招いている。
予算審議の行き詰まり
与野党の対立が激化し、2025年度予算案の審議は事実上ストップ。予算案の可決期限である9月30日まで残り2週間を切り、政府閉鎖(シャットダウン)の可能性が現実味を帯びている。DOGEの要求に応じるべきだとする共和党保守派と、国民生活への影響を懸念する民主党の溝は埋まらず、ホワイトハウスは緊急対策の準備を進めている。
市場への影響と専門家の見解
政府閉鎖への懸念から、米国株式市場は不安定な動きを見せている。S&P500は先週比で3%下落。為替市場でもドル安が進行し、投資家はリスク回避の姿勢を強めている。経済学者のジェーン・スミス氏は「DOGEの要求は非現実的だ。政府閉鎖が実現すれば、GDP成長率が0.5%押し下げられる可能性がある」と警告する。
政治的な駆け引き
マスク氏は自身のSNSで「政府の無駄遣いを終わらせる時だ」と主張。一方、民主党のナンシー・ペロシ元下院議長は「マスク氏の提案は国民の生活を脅かすものだ」と批判する。共和党内でも意見が割れており、ジョン・スケール下院議員は「DOGEの要求は極端だが、政府の非効率を改善する議論は必要だ」と述べている。
今後の展望
バイデン大統領は超党派の妥協案を模索しているが、DOGEの影響力が強まる中で合意は困難を極める。政府閉鎖が現実となれば、連邦職員の一時帰休や公共サービスの停止が避けられない。市場関係者は、今週の予算案採決の行方を注視している。



