高市早苗首相による初めての内閣改造で、最大の焦点は「ポスト高市」の有力候補とされる林芳正総務相の処遇だった。保守層を強く意識する首相とは政治的立ち位置に距離があり、次期総裁への意欲を隠さない林氏。総裁選での再選を見据える首相は林氏とどう向き合うのか。選んだ答えは「閣外放出」だった。
林氏、退任会見で「一抹の寂しさ」
閣僚名簿の発表からまもない17日午後、総務省。総務相として最後の会見に臨んだ林氏は、1年に満たないおよそ11カ月の在任期間を「心情的には1年近くみなさんと一緒に仕事をしてきた。一抹の寂しさがある」と振り返った。口ぶりからは、交代を望んでいたわけではないことをうかがわせた。
内閣改造を前に、2025年秋の総裁選に立候補した「ポスト高市」と目される小泉進次郎防衛相、茂木敏充外相、小林鷹之政調会長の留任方針は早々と決まった。だが、林氏に限っては明らかにならないまま時が過ぎた。
主戦論強まるも、首相は「差し控える」
こうした政治状況は、非主流派を中心に、首相とたもとを分かつことで総裁選の準備を急ぐべきだとする主戦論を強めた。「閣内不一致」「上司に対する裏切り行為」――。現職閣僚が首相に挑む構図の総裁選となれば、こうした批判に見舞われるのは確実だ。ある閣僚経験者は「『今回は休ませて下さい』と首相に言うべきだ」と林氏に伝えたという。
政権内では、小泉氏、茂木氏らを閣内にとどめ置く判断の背景には「総裁選の無風化」があるとの見方がある。それであれば、なぜ林氏のみを閣外へと放つのか。17日の記者会見で問われた首相は、林氏の名には触れずに「人事に関するコメントは差し控える」と述べた。



