国会会期末を前に、高市首相と野党党首による党首討論が行われた。首相肝いりの政策に対して各党が疑問や懸念をただしたが、議論は深まらず、時間を空費する形となった。
皇室典範改正案をめぐる応酬
立憲民主党の水岡代表は、皇室典範改正案に関して、旧宮家から養子に入る男性の子に皇位継承を認める規定を取り上げた。水岡氏は「皇族数確保策として始まった議論が、新しい皇位継承資格者を生み出す制度にすり替わっている。私たちはだまされたのか」と批判した。
首相は「各党・各会派に法案の要綱も説明して、立法府の議論のとりまとめに沿ったものと判断をいただいた」と繰り返した。だが、要綱では養子の子への皇位継承に触れていなかったのに、法案に唐突に記されたことが問題視されている。首相は正面から答えるべきだ。
食料品消費税減税案をめぐる質疑
国民民主党の玉木代表は、食料品の消費税を1%に下げる案について、「社会保障国民会議でまったく各党の合意が得られていない。見直しの余地は残っているのか」と質問した。首相は「しっかりと多くの方が納得する議論をしてほしい」として、明言を避けた。
食料品消費税ゼロの「検討を加速」を公約で掲げた2月の衆院選の時点から、米国のイラン攻撃などで、経済情勢は大きく変動した。食料品消費税1%案を考え直すべき状況にある。
衆院定数削減法案をめぐる議論
中道改革連合の小川代表は、自民党と日本維新の会が今国会成立を断念した衆院定数削減法案に関して、次期国会で再度議論する際には、少数政党を含めて幅広い合意形成に努力するよう求めた。だが、首相は「数の力で押し切るとか、内閣総理大臣の立場で申し上げることはない」などと述べるにとどまった。
各党の協議で結論が出なければ1年後に比例定数を45議席削る、というこの法案には、すべての野党が反対している。次の国会でも成立のめどは立っていない。白紙に戻すのが筋であろう。
党首討論の運営方法にも課題
今回の党首討論は、時間を15分延ばして60分間にしたものの、6人の野党党首が小刻みに登場する状況は変わらず、消化不良感を禁じ得なかった。外交、防衛への言及がないのも物足りない。
実のある論戦を展開するには、回数を増やすのはもちろん、人数を絞り、2日間に延ばすといった一層の工夫が欠かせない。中道改革連合、立憲民主党、公明党の3党は調整ができないのか。



