新布陣の高市政権、緊張感保ち危機克服を 国の基本にも着実に取り組め
新布陣の高市政権、緊張感保ち危機克服を 国の基本にも着実に取り組め

第2次高市早苗改造内閣が発足した。高市首相は内閣改造では多くの主要閣僚を、自民党役員人事ではほとんどの幹部を続投させた。これまで閣外協力だった日本維新の会から、中司宏前幹事長を規制改革担当相として入閣させ、自民・維新連立政権の強化を図った。

継続と安定を重視した布陣

高市内閣の支持率は高い水準で推移してきた。これを背景に、継続性と安定性を重視した政策遂行の布陣となったといえよう。来秋の自民総裁選を見据え、総務相だった林芳正氏を除き、昨年の総裁選で戦った相手を内閣と党の要職に留めた。

記者会見で首相は「決断と挑戦、実行の内閣だ。いよいよ本格的な実行のステージに入った。挑戦しない国に未来はない。守るだけの政治に希望は生まれない」と語った。首相は連立政権合意書と2月衆院選の公約の実現を重視している。

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厳しい国際情勢への対応

改革や成長に資する政策の遂行には、国家の独立と平和を保たなければならない。日本は今、嵐の海を進む船のように、厳しい国際情勢に直面している。中国は軍拡を進め、台湾併吞を狙っている。日本有事に直結する台湾有事の危機は去っていない。核武装し反日的な専制国家の中国、ロシア、北朝鮮は連携を強めている。

高市政権は中国などの外交的、軍事的圧迫をはねのけ、抑止力と対処力を一段と高める必要がある。年末の国家安全保障戦略など安保3文書の改定は、防衛費増額も含め極めて重要だ。同盟国の米国や同志国のオーストラリア、フィリピンなどとの安保、経済安保上の協力強化も喫緊の課題だ。

トランプ米政権の対外姿勢を持ち出すなどして日米分断を図る動きが内外で生じても、動じてはならない。安倍晋三政権以来の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を発展強化し、国際秩序と平和の維持へ高市政権は主導的な役割を果たすべきだ。ロシアのウクライナ侵略問題は、対露協力に走る北朝鮮や中国を通じて北東アジアの平和と安全を脅かしている。ウクライナ支援を続けたい。

国民生活と国の基本に関わる課題

エネルギーは日本の生存を左右する重大事だ。高市政権のこれまでの調達の取り組みは評価できる。オイルルートの「脱ホルムズ海峡」を進めつつ、中東情勢安定化やアジアの友好国支援に努めたい。

国民の暮らし、生活を守ることも重要課題である。17の戦略分野への成長投資を実現していくときだ。同時に、物価高や円安という一筋縄ではいかない問題がある。来年4月からの飲食料品の消費税減税の関連法案は秋の臨時国会の焦点だ。消費減税をめぐる懸念の解消には、国債に頼らない財源を具体的に示し、財政への信認を損なわない制度設計が求められる。

皇統守護は首相直轄で高市政権は防衛装備品輸出の改革や国家情報会議創設を実現してきた。国の基本に関わる課題もそうである。先の特別国会で皇室典範改正の運びとなった。改正典範は10月に施行される。皇族との養子縁組による旧宮家の男系男子の皇籍復帰は、日本の皇統の安定のため欠かせない。宮内庁任せにせず、首相直轄の扱いで対応してもらいたい。

首相は4月の自民党大会で、「(国会の憲法改正の)発議に何とかめどが立ったといえる状態で、来年の党大会を迎えたい」と語っていた。連立与党の維新は自民以上に憲法改正に積極的だ。自民と維新の連立政権合意書は、可及的速やかに衆参両院の憲法審査会に(改正)条文起草委員会を常設する―などとうたっている。改憲に前向きな野党とも連携し条文化作業に入ってほしい。

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トランプ大統領は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との会談を模索している。北の核・ミサイル戦力放棄と日本人拉致被害者の帰国を実現すべきだ。

政権の政策推進には、政府・与党の結束が不可欠である。衆院選で大敗した中道改革連合は分裂し、沖縄県知事選では自民などが推薦した保守系候補が圧勝し共産党など左派による「オール沖縄」勢力が敗北した。政界では左派系野党が弱体化する地殻変動が起きているが、だからこそ与党は気を引き締めて結束するときだ。