北陸新幹線の敦賀駅から先の延伸計画について、政府・与党が2026年春に正式決定する方針を固めたことが、複数の関係者への取材で明らかになった。延伸区間は敦賀駅から福井県嶺南地域を経て京都府・大阪府方面に至るルートが有力視されており、総事業費は約1兆円に上る見通しだ。
事業スケジュールとルートの概要
政府・与党は、2026年春の正式決定後、2028年度に着工し、2035年度の開業を目標としている。ルートは、敦賀駅から小浜市を経由し、京都府南部を通って新大阪駅に至る「小浜・京都ルート」が最有力だ。このルートは、環境影響評価や地元調整が進められており、2025年度中に国土交通省がルートを正式に選定する見込み。
総事業費約1兆円のうち、国費が約7割、残りを地元自治体や鉄道事業者が負担する計画。整備方式はフル規格での建設が想定され、最高時速260キロでの運行が可能となる。
地元の期待と課題
延伸により、敦賀から新大阪までの所要時間は現在の約2時間半から約1時間に短縮される見込みで、観光やビジネスへの波及効果が期待されている。福井県の杉本達治知事は「北陸地方の活性化に不可欠なプロジェクト。早期の実現を強く望む」とコメントしている。
一方で、総事業費の増大や環境負荷への懸念も指摘されている。特に、京都府南部の市街地通過に伴う騒音や振動の問題、トンネル工事による地下水への影響などが課題として挙げられている。
政治的な動きと今後の見通し
自民党内では、北陸新幹線建設促進議員連盟が中心となって延伸の早期決定を求めてきた。岸田文雄首相も「北陸新幹線の全線開業は国家的プロジェクト」と述べ、前向きな姿勢を示している。野党側もおおむね賛成の立場だが、財源確保の明確化を求める声も上がっている。
国土交通省は2025年度中にルートを正式決定した後、2026年春の政府・与党決定を経て、環境影響評価や用地買収などの手続きを進める。着工後の工期は約7年を見込んでおり、2035年度の開業を目指す。
なお、延伸区間のうち、敦賀駅から小浜市までは既存の在来線を活用する案も検討されたが、高速性や輸送力の面からフル規格での新線建設が優先される見通しだ。



