政府は北海道や東北地方などが被災地となる「日本海溝・千島海溝地震」の発生に備え、応援職員を派遣する自治体の割り当てなどを定めた実行計画を年度内に策定する方針を固めた。南海トラフ、首都直下両地震には既に計画があり、同様に切迫性が高い両海溝地震でも定める。
計画の概要と対象地域
海溝ごとに計画を2種類策定し、寒冷地対応も念頭に取りまとめる方針だ。被災が想定されるのは北海道、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉の8道県で、計画では全国の都府県と政令市に対して事前に派遣先を指定する。派遣職員は現地で罹災証明書発行などの行政事務などを手伝う。能登半島地震で被災した石川県は派遣元から除外する方向だ。
被害想定と派遣パターン
日本海溝・千島海溝地震は、政府の最悪の想定で高さ約30メートルの津波が押し寄せ、死者は岩手県沖の日本海溝が震源の場合は最大約19万9000人、北海道沖の千島海溝では最大約10万人に上る。どちらの海溝で地震が起きるかによって8道県の被害想定が異なるため、計画は被害想定に応じて派遣元の自治体数などを組み替えた2パターンを作ることも検討する。
寒冷地対応と今後の手順
北海道は本州から交通手段が制限され、被災地には豪雪地帯もあることから、被災地から近く降雪に慣れている自治体や被災地支援経験の多い自治体などを派遣元に組み入れることも想定している。政府は7月に関係者会議を設置。複数回の作業部会を経た上で、年度内に計画をまとめる考えだ。
被災地への自治体職員派遣制度は2018年に創設され、7月28日の熊本地震でも65都道府県市(8月7日時点)の職員が派遣された。政府は巨大地震に対しては全国からの派遣計画を作っており、24、25年度に南海トラフ、首都直下両地震の計画を策定した。計画策定後は派遣元と派遣先自治体が合同で防災訓練や対策会議を行うなど、震災に備えて連携強化を図る。



