政府は15日、物価高騰や賃上げ促進を目的とした新たな経済対策を閣議決定した。対策の総額は5兆円に上り、低所得世帯への現金給付やガソリン価格の高騰を抑える補助金の延長などが柱となる。
低所得世帯に3万円給付
政府は、住民税非課税世帯など低所得世帯に対し、1世帯あたり3万円を給付する方針。また、子育て世帯には子ども1人あたり2万円を追加で支給する。これらの給付は年内に実施する予定で、総務省が窓口となる。
ガソリン補助金を来年3月まで延長
ガソリン価格の高騰に対応するため、石油元売り会社への補助金を2024年3月末まで延長する。現在、1リットルあたり約30円の補助が行われているが、新たな対策では同水準を維持する。経済産業省は「国際的な原油価格の動向を注視しながら、必要に応じて追加措置を検討する」としている。
賃上げ促進税制を拡充
賃上げを促進するため、企業向けの税制優遇措置を拡充する。従業員の給与を前年比で3%以上引き上げた企業に対し、税額控除の上限を引き上げる。具体的には、大企業は控除率を現行の15%から20%に、中小企業は25%から30%にそれぞれ拡大する。財務省は「企業の持続的な賃上げを後押ししたい」と説明している。
電気・ガス代の負担軽減
電気代と都市ガス代については、現在の激変緩和措置を2024年4月以降も段階的に縮小しながら継続する。2023年9月までは標準家庭で月額約1,500円の負担軽減が続くが、その後は縮小される見通し。経済産業省は「国際的なエネルギー価格の安定化を踏まえ、段階的な見直しが必要」と述べている。
総合経済対策の財源
今回の対策の財源は、2023年度予算の予備費や税収増の一部を活用する。政府は「国民生活を守るため、迅速かつ的確な対応を取る」と強調。一方、野党からは「バラマキに過ぎない」「持続可能な成長戦略が必要」と批判の声も上がっている。
今後の見通し
政府は、今回の対策により2023年度の実質GDP成長率を0.5%程度押し上げると試算。物価高の影響が長期化する中、国民生活の下支えが期待される。しかし、専門家からは「一時的な対策ではなく、構造的な賃上げと生産性向上が不可欠」との指摘もある。



