国旗損壊罪が成立、元法制局長官ら「わざわざ分断あおる法律」と懸念
国旗損壊罪成立 元法制局長官ら懸念

日本の国旗を損壊した場合に刑事罰を科す「国旗損壊罪」を盛り込んだ国旗損壊処罰法が、2026年7月17日の参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。本法案は自民党が提出し、「国旗を大切に思う国民感情を保護する」と主張したが、元法制局長官らからは「わざわざ国民の分断をあおる法律だ」との懸念が示された。

法案の内容と反対意見

同法は、日本の国旗を損壊した者に対し、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すと規定している。自民党内の議論では、実効性を持たせるために刑罰を盛り込んだ経緯がある。しかし、立憲民主党の塩村文夏氏は反対討論で「刑事罰によって国民に強制し、縛りつけようとする法案に断固として反対する」と述べ、「憲法が保障する基本的人権を根底から揺るがす極めて危険な悪法だ」と批判した。

元法制局長官の指摘

元法制局長官の一人は「国旗は本来、国民が自発的に敬愛すべきものであり、刑罰で強制すればむしろ国旗が国民から遠ざかる。わざわざ分断をあおるような法律だ」と懸念を表明。また、憲法学者からは「後出しジャンケン的解釈」として違憲性を指摘する声も上がっている。具体的には、表現の自由を保障する憲法21条に抵触する可能性が指摘されている。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

処罰対象のあいまいさ

本法案では、処罰対象となる「国旗の損壊」の定義が明確でないとの批判がある。例えば、日の丸が印刷されたゴルフボールを池に落とした場合や、穴の開いた国旗を制作した場合など、どこまでが処罰対象となるかが不明確だ。このあいまいさが、法の恣意的な運用につながる恐れがあると懸念されている。

国会審議の経緯

本法案は、高市政権下の国会で審議され、与党の賛成多数で成立した。法制局の審査が十分に機能しなかったとの見方もあり、野党側は審議の拙速さを批判している。与党側は「国旗を尊重する国際的な慣行に沿ったもの」と主張するが、野党側は「国民の国旗に対する愛着を刑罰で強制するのは逆効果」と反論している。

今後の影響

本法の成立により、国旗損壊行為が刑事罰の対象となるが、その運用次第では国民の間で新たな対立を生む可能性がある。また、芸術表現や政治的抗議活動との境界線が問題となるケースも想定される。現代美術家の会田誠氏は「逮捕者一号は僕かな」とコメントし、法の運用に対する警戒感を示している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ