第3回国際文化会館ジャーナリズム大賞 朝日新聞「帝国の幻影」と熊本日日新聞「TSMCインパクト」が大賞
国際文化会館ジャーナリズム大賞 朝日と熊本日々が大賞

第3回国際文化会館ジャーナリズム大賞の表彰式が7月17日、東京都港区で開催された。日本と世界の関わりに関する優れた報道・論考を顕彰するこの賞には、今回85作品の応募があり、朝日新聞の連載「帝国の幻影~壊れゆく世界秩序」と熊本日日新聞の年間企画「TSMCインパクト」が大賞に輝いた。

朝日新聞「帝国の幻影」が描く世界秩序の危機

「帝国の幻影」は、戦後80年を経て、米国主導で築かれたルールに基づく世界秩序がロシアの侵略行為や米国自身の政策によって揺らぎ、強国が「勢力圏」を拡大する現状を追った連載。取材班は世界各地の現場ルポや専門家インタビューを通じて、「帝国」や「勢力圏」というキーワードで現代世界の構造を浮き彫りにした。

取材班の伊東和貴・国際報道部次長は「ミクロとマクロの視点を持つことを大切にしてきた。大国の横暴や世界秩序の揺らぎは、日本にとって対岸の火事ではない。これからも世界の現在地と行方、日本が取るべき針路について考える報道を続けていきたい」と受賞の喜びを語った。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

熊本日日新聞「TSMCインパクト」と特別賞

熊本日日新聞の「TSMCインパクト」は、半導体大手TSMCの熊本進出が地域社会や経済に与える影響を多角的に報道した年間企画。地元紙としての緻密な取材が評価された。

特別賞には、朝日新聞の藤田直央専任記者が選ばれた。藤田記者は日米安保密約に関する公文書報道で、岸信介首相が日米密約を主導した事実を米公文書から発見。藤田記者は「地道な作業を今後も続けていきたい」とコメントした。また、パリ・パラリンピックでの選手へのパワハラと不適切会計を報じた小泉耕平氏と山口なつ香氏も特別賞を受賞した。

オピニオン賞は九州大学・益尾教授ら

オピニオン賞は、中国漁船の東シナ海での行動をデータ分析し、海上民兵の実態を立証した九州大学大学院の益尾知佐子教授らが受賞した。

選考委員長の林香里・東京大学大学院情報学環教授は「大賞受賞作品は、大きな出来事を日々の暮らしに結びつけ、抽象的な出来事を社会が共有できる知識にして届けてくれた」と講評した。受賞作品はいずれも、国際情勢と日常生活を結びつける報道の重要性を示している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ