臨時国会召集 憲法改正へ歩を進めたい 社説が首相に主導求める
臨時国会召集 憲法改正へ歩を進めたい

臨時国会が召集された。高市早苗首相は所信表明演説で「経世済民の志を貫き、必要な政策は躊躇(ちゅうちょ)なく決断し、果敢に挑戦する」と述べ、政策実現に強い意欲を示した。

焦点となる飲食料品の消費税減税

焦点の一つは飲食料品の消費税減税関連法案だ。財源について首相は「特例公債(赤字国債)に頼らずに確保する」と述べるにとどめた。国民生活に直結する政策である。審議を通じ、財源確保の具体策や減税の妥当性を明確に説明すべきだ。

憲法改正と条文起草委員会の設置

国の根幹に関わる憲法改正にも取り組まねばならない。首相は「党派を超えた建設的かつ活発な議論が行われることを強く期待する」と語った。リーダーシップを発揮し、議論を主導してもらいたい。衆参両院の憲法審査会に条文起草委員会を設置し、憲法改正原案の条文化に入るときだ。

問題は、憲法第9条に関し自民党と日本維新の会の溝が埋まっていない点だ。自民は自衛隊の明記を訴える。維新は戦力不保持を定めた9条2項を削除し、集団的自衛権を全面的に認め、自衛権と国防軍の明記を求めている。自衛隊明記は違憲論の払拭など一定の意義はある。だが、改憲のゴールは9条2項の削除と軍の規定だ。与党の立場を急ぎ決める必要がある。

緊急事態条項と安全保障環境への対応

巨大地震や有事などへの懸念が高まる中、緊急政令を含む緊急事態条項の創設も急務だ。厳しい安全保障環境への対応も待ったなしだ。首相は「平和は願うだけで実現するものではない」と語った。その通りである。政府は、防衛力の抜本的強化のため年末までに国家安全保障戦略など「安保3文書」を改定する方針だ。

中国の習近平国家主席はトランプ米大統領との会談で、日本の「軍国主義」への警戒を促した。首相はトランプ氏と緊密に意思疎通を図り、日米同盟を強化し、対中抑止力を高めることが重要である。

在沖縄米兵が強盗殺人容疑で逮捕された事件では、首相は「(米側に)捜査への全面的な協力、米軍関係者の綱紀粛正と事件の再発防止の徹底を強く求めた」と述べた。同盟を損なわないためにも、米側の実効性ある対応が欠かせない。

野党は週刊誌報道に依拠した質問でいたずらに審議時間を費やすのではなく、政策本位の議論をすべきである。