防衛省が8月31日に公表した2027年度当初予算案の概算要求には、自衛隊の指揮統制へのAI(人工知能)の活用や、長距離飛行ができる攻撃型無人機の開発など「新しい戦い方」への対応が盛り込まれた。年末に安全保障関連3文書の改定を控える中、主要な事項の多くは金額を示さない「事項要求」となっている。
AIを活用した意思決定支援システムの導入
ロシアのウクライナ侵略などを受けた「新しい戦い方」への対応として、陸海空の3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部(JJOC)」の指揮統制に、AIを活用した意思決定支援システムの導入を盛り込んだ。
米軍が米データ解析企業パランティア・テクノロジーズの「メイブン・スマート・システム」を導入していることを踏まえ、日本も既存の海外技術を活用して早期に整備を進めるとした。合わせて、国産の開発も推進し、将来的に海外技術からの置き換えを進める方針だ。複数の政府関係者によると、AI企業「サカナAI」(東京)が候補という。
AI活用を進めるため、機密性の高い情報を扱う民間クラウドを用いた「防衛省クラウド」の導入を進める。いずれも事項要求としている。
水中発射型の極超音速誘導弾も
敵基地攻撃能力(反撃能力)を担うミサイルの導入もさらに進める。敵の射程圏外から攻撃できる長距離の「スタンド・オフ防衛能力」を強化するため、新たに水中発射型の極超音速誘導弾の開発に乗り出す。行動の秘匿性が高い潜水艦や無人潜水機(UUV)から、突破力の高い極超音速誘導弾を発射することで、効果的な対処を狙う。
ウクライナや中東では、安価な無人機の活用が進んでおり、多様な無人機の開発も要求に含まれている。



