巨人の浦田俊輔(24)が、今季の世代交代の中で大きな収穫となっている。俊足を生かした盗塁で存在感を示し、新人王獲得にも現実味が帯びてきた。大卒2年目の躍進の背景には、打撃面の成長がある。
異質な打撃練習
試合前の打撃練習で、浦田のアプローチはチームメートと一線を画す。フルスイングで力強い打球を飛ばす選手が多い中、浦田は一球一球、実戦を想定して打つ方向を定め、コンパクトなスイングに徹する。バットを振り切らずに野手の間に落としたり、あえてボール球に手を出してフェアゾーンに飛ばしたりすることもあるという。
この練習法は、シーズン序盤に阿部前監督の助言を受けて始めたものだ。引っ張る打撃が得意な浦田だが、打席とは逆の左翼方向へのライナーを意識するように。フライではなくゴロを転がせば、持ち味の足も生きる。反復練習で理想のスイング軌道や球の捉え方を体に染み込ませ、「打席での(球の)待ち方も変わってきた」と自信を深めている。
「変態的」と称賛
足が速くても、出塁できなければ意味がない。橋上監督代行は浦田の練習法を独特の言い回しで称賛する。「いつの頃からか、『変態的』な打撃練習をするようになった。それが、実際の試合で生きている」と語る。
新人だった昨季は22試合の出場にとどまり、打率2割8厘、盗塁はゼロだった。しかし今季は6月中旬から主に1番に定着。104試合で打率2割8分4厘、出塁率3割4分2厘と、ともにリーグ上位につける。33盗塁で個人タイトルを争えている背景には、確実性を増した打撃の向上がある(成績は8月27日時点)。
新人王への期待
走攻守で存在感を示し、最優秀新人賞の有力候補として注目が集まる。浦田の1年目の打席数は60。橋上監督代行によれば、新人王の資格を残すため、条件ぎりぎりの打席数にとどめたのは阿部前監督の計らいだったという。
「我慢して使っていただいて、今の自分がある。目の前の一試合一試合を頑張っていきたい」と浦田は語る。縦横無尽に暴れ回り、シーズンを駆け抜けることが期待される。



