欧州連合(EU)は、米国が鉄鋼・アルミニウムに課した関税への対抗措置として、米国製品に対する報復関税を即時発動した。EU委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は声明で「米国の一方的な関税は世界貿易のルールを損なうものであり、EUは断固として対応する」と述べた。
報復関税の対象品目
EUが発表した報復関税の対象には、バーボンウイスキー、オートバイ、農産物などが含まれる。関税率は10%から25%で、総額約260億ユーロ(約3兆8000億円)相当の米国製品が対象となる。EU委員会の報道官は「米国が関税を撤回しない限り、この措置は継続される」と強調した。
WTOへの提訴も検討
EUは世界貿易機関(WTO)への提訴も視野に入れている。EUの貿易担当委員は「米国の関税はWTO協定に違反しており、法的措置を取る準備がある」と述べた。米国は国家安全保障を理由に関税を課したが、EUはこれを不当と主張している。
米国は先月、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を課すと発表。EUはこれに強く反発し、報復関税の準備を進めていた。EUの主要貿易相手国であるドイツの経済相は「保護主義的な措置は世界経済に悪影響を及ぼす」と懸念を示した。
今後の影響
専門家は、この報復関税が両国間の貿易摩擦をさらに激化させると予測する。EUと米国の貿易額は年間約1兆ユーロ(約150兆円)に上り、関税の応酬は世界経済に大きな打撃を与える可能性がある。EUはまた、中国など他の国々との連携も模索している。



