和歌山の公務員副業、田辺市でも運用基準作成 農業人手不足解消へ
和歌山の公務員副業、田辺市で運用基準作成

農家の人手不足解消に向け、自治体職員が公務とは別に農業などに携わる「副業」が和歌山県内で広がっている。田辺市は今年度、副業について定めた運用基準を新たに作成。人手不足に悩む一次産業への貢献や現場への理解を深める狙いがある。

田辺市が運用基準作成

地方公務員法は、許可なく報酬を得て事業や事務に従事することを原則禁止している。地域活性化に関する活動は例外的に認められているが、総務省によると、許可基準の規定を設ける自治体は2024年時点で全体の約6割という。

田辺市は、特産の梅などで農家の人手不足が課題となっていることを受け、基準を作成した。市総務課の担当者は「職員が地域課題について理解を深めることができる」と期待する。

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早朝の梅収穫に従事

6月中旬の朝。田辺市秋津川の梅園で、市水産課職員の閑陀(かんだ)大さん(28)が、熟して落果した南高梅を網で集める作業に精を出していた。市から副業の許可を受け、勤務前の午前5時30分から2時間、時給1500円で作業にあたった。

園主の梅農家北川弘泰さん(64)は「作業がはかどって大変助かる」と喜ぶ。梅園は約1.7ヘクタール。収穫期の5~6月は1年で最も忙しい。実を集めたり選別したりする作業に人手が必要だが、求人を出しても応募は少なく、知人の閑陀さんにアルバイトを持ちかけたという。

閑陀さんは「完熟梅は想像以上にどんどん落ち、さっき集めた所に、もう新しい実が転がっている」と笑いながら、「収穫期の農家にとって人手がいかに重要かがわかった。報酬がある分、責任を持って取り組めている」と汗をぬぐった。

県内他自治体でも広がる

県内の他の自治体でも同様の動きが広がっている。

有田市は2020年度から、年度内に計90時間以内に限り、特産のミカンの収穫作業などへの職員の従事を認めている。昨年度までに職員延べ21人が制度を利用したといい、市総務課の担当者は「農家から感謝の声はあるが、人手不足への貢献度合いはまだまだ。本業に支障のない範囲で取り組みを広げていきたい」と話す。

すさみ町は2023年から、田辺市に並ぶ梅産地のみなべ町でも2026年6月から、地域活性化に関わる仕事への従事が認められている。

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