無所属の新人4人が立候補した北茨城市長選。市は最近、「関東一涼しいまち」として注目を集めている。移住者や観光客を呼び込む好機を、人口減少対策にどうつなげるかが課題となっている。
「関東一涼しいまち」の要因
全国的に夏の猛暑化が進む中、北茨城市は過ごしやすい地域としてたびたびメディアで紹介されている。市によると、最高気温が35度以上の猛暑日は、2025年までの過去10年間でわずか4日。7~9月の最高気温の平均は上昇傾向にあるものの、25年は29.2度だった。「冷房をつけずに寝苦しくない日もある」という市民もいる。
市は今夏、ホームページで「関東一涼しいまち」をPRする記事を掲載した。太平洋からの涼しい海風が流れ込む地形で気温上昇が抑えられ、都市化が進んでいないためアスファルトによる「ヒートアイランド現象」の影響も少ないことなどが要因と紹介している。市企画政策課の担当者は「北茨城に少しでも関心を持ってもらい、移住や観光につなげたい」と語る。
観光客数と周遊観光の動き
市商工観光課によると、市を訪れる観光客数は年間100万人前後で推移している。国の無形民俗文化財「常陸大津の御船祭」が行われた24年度は約140万人で、25年度は約96万人だった。県は、市内にある県天心記念五浦美術館の改装を進めており、美術館を拠点にした周遊観光を図っている。
候補者の対策
市長選の各候補は出馬表明の記者会見や公開討論会などで対策について発言している。
元市議の松本健一郎氏(71)は「住みやすい北茨城をアピールし、移住者が移住者を呼び込む好循環を作る。学校跡地などを再利用して移住者と地元住民の交流の場にする」と訴える。
前市議の今井路江氏(60)は「五浦、平潟、大津など、北茨城には全国に誇れる自然、歴史、文化、食がある。これらを観光と地域産業につなげ、魅力を全国へ発信する」と主張する。
前県議の豊田茂氏(55)は「北関東一の避暑地との報道を受け、移住交流促進事業の拡充に取り組む。他地域との差別化を打ち出して、市の強みがある部分で勝負していきたい」と語る。
眼科医師の今留尚人氏(61)は、個別の政策についてコメントしていない。(大垣裕)



