札幌市の財政が急速に悪化している。再開発や施設の建て替えなどで借金がかさみ、国際会議・展示会施設(新MICE施設)や北海道新幹線延伸に向けた周辺整備などの大型事業も相次ぐ。このままでは10~20年後に財政危機に陥るおそれがあるとして、市は将来に向けた岐路に立たされている。
将来の財政運営に衝撃的なシナリオ
今年1月、札幌市が公表した「今後の財政運営」に、財政を改善しなければ将来は財政危機に陥るおそれがあるという衝撃的なシナリオが示された。
推計によると、「実質公債費比率」(税収などの財政規模に対する借金返済費の割合)が、2026年度から右肩上がりで上昇していく。毎年度の予算で借金返済に追われ、行政サービスや公共事業などに充てる余裕が少なくなる。
34年度には新たな借金に国の許可が要る「起債許可団体」(18%)、37年度には歳出削減などの計画を立てて財政再建を図る「財政健全化団体」(25%)に転落する。43年度には「事実上の財政破綻」と言われ、国の関与のもとで再建を進める「財政再生団体」(35%)が待つ。
財政再生団体は全国で夕張市のみ
財政再生団体は全国の自治体で夕張市しかない。夕張市は07年に当時の財政再建団体(10年から財政再生団体)になり、厳しい歳出削減などを続けてきた。ようやく26年度末で再建を進めるための借金(再生振替特例債)を返し終え、29年度末に財政再生団体から脱する見通しだ。
札幌市では25年度決算の実質公債費比率は約3・5%にとどまり、財政は健全に見える。なぜ急速に悪化していくのか。
大きな要因が、建設事業を進めるために発行した建設債(借金)の残高だ。26年度の約7400億円からどんどん膨らみ、39年度には約1兆2千億円に達する。
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