自民・中尾福岡県副議長、録音音声を一転認めるも金銭授受は否定
中尾副議長、録音音声認めるも金銭授受否定

福岡県議会の議長ポストをめぐる金銭授受疑惑で、自民党の中尾正幸副議長が14日、2度目の記者会見を開き、金銭の受け取りを改めて否定した。吉松源昭議員は、中尾氏から約1000万円を要求されたと証言し、中尾氏との会話を録音した音声を公開している。中尾氏はこの音声について、声紋鑑定の結果を受け、自身の声だと認めたが、「大金」などの発言については「記憶にない」と主張した。

疑惑の発端と吉松議員の証言

吉松氏は、2019年に議長に就任する前に、自民会派の幹部から要求されて総額約2000万円を支払ったとし、「カツアゲ(恐喝)」だったと訴えている。その内訳として、ゴルフ代など「議会運営の他会派への根回し」名目で1000万円を中尾氏から要求され、自民県議団会長(当時)の松本国寛議員に渡したと証言した。

裏付ける証拠として、2019年10月の中尾氏との会話を録音したとする音声を報道陣に提供。音声には「他会派も含めて、うちが議長をとりたい。接待みたいなことをやる」「明日、松本会長が手荷物を預かります」「ちょっとね、大金やけんね。管理しとかんとね」「荷物の話が出たんで、もういいと思うけどね」といった中尾氏とみられる発言が記録されている。

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中尾氏の主張の変遷

中尾氏は当初、音声について「(自分に)よく似ているが、記憶にない。信憑性に乏しい」として金銭の要求や受け取りを全面否定していた。その後、声紋鑑定で「99.99%以上の確率で、中尾氏であることは間違いない」とされたという一部報道を受け、14日に会見した。

会見で中尾氏は「信憑性が乏しい」などとして、音声の一部は加工や改ざんされた可能性があると主張した。しかし、記者から「鑑定の結果では、AI生成や改ざんの可能性は否定されている」と指摘されると一転、「にわかには信じられないが、科学的にそうであれば私が言った言葉なんでしょうね」と認めた。「荷物」や「大金」が何を指すかは「記憶にない」と繰り返し、この説明で県民が納得するかを問われると「納得しないでしょう」と話した。

松本氏と吉松氏の反応

松本氏も14日、報道陣の取材に「報道は承知しているが、そのような事実はない」と述べ、金銭授受を否定した。吉松氏は中尾氏の会見を踏まえ、「よくあれだけうそばっかり言えるなと思った」と話し、音声が本物であることを改めて主張した。

相次ぐ証言と疑惑の広がり

金銭授受疑惑では、吉松氏のほかにも証言が相次いでいる。吉松氏が議長を務めたのと同時期に副議長を務めた自民の江藤秀之議員が就任前に500万円を支払ったと証言しているほか、民主会派の元副議長も匿名で証言。一方、自民や民主の複数の幹部は、金銭の要求や授受を否定している。

中尾氏は会見で、吉松氏の証言や録音音声の内容について「記憶にない」を繰り返し、疑惑の全容解明には至っていない。県民からは説明責任を果たすよう求める声が上がっている。

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