北方領土訪問は容認できぬ暴挙、ロシアへの毅然とした対処を
北方領土訪問は容認できぬ暴挙、毅然とした対処を

ロシアのプーチン大統領が、終戦記念日を前に初めて北方領土の択捉島を訪問した。ソ連時代の侵略を思い起こさせる行為であり、北方領土の不法占拠を正当化し、日本国民を威嚇する悪質な行動である。

プーチン氏の訪問の狙い

中国は高市政権の安全保障政策などを「新型軍国主義」と呼んで批判している。プーチン氏には、中国に同調して日本に圧力を強める狙いがあるとみられる。

択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島の北方4島は、歴史的にも国際法上も日本固有の領土である。プーチン氏の暴挙は断じて容認できない。日本政府は揺さぶりに動じることなく、毅然と対処する必要がある。

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プーチン氏の主張は的外れ

プーチン氏は択捉島訪問の前日、サハリン州で露海軍関係者と会談した際、北方領土は第2次大戦の結果ロシア領になったと述べたという。日露平和条約交渉が中断していることに関しては、「ロシアは、安倍元首相を含む日本の指導者と建設的な関係を築いていたが、現在、日本側の立場が変化している」と語ったとされる。

だが、プーチン氏の主張はいずれも的外れである。ロシアの北方領土占拠が国際法上も不法であることは明白だ。平和条約交渉の中断は、ウクライナ侵略に対して日本が制裁を科したことにロシアが反発し、独断で決めたことだ。関係悪化の原因を作ったのはロシア側である。

日本政府の対応と今後の課題

高市首相が「日本国民の感情を傷つけるもので、断じて許容できない」と抗議したのは当然だ。ロシアは4年以上にわたってウクライナの領土を攻撃し、占領している。日本政府は、終戦時にも非道な侵略行為が日本で起きていた事実を、国際社会に粘り強く発信していかなければならない。

中東情勢の悪化を受け、日本は最近、エネルギーの調達先を多角化する観点から、ロシアとの意思疎通を強めようとしていた。5月には経済産業省幹部らが訪露して露政府関係者に面会した。日本の商社が権益を持つ、露の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」で産出される液化天然ガス(LNG)や石油の輸入を増やす狙いがあったと言われている。

ロシアと意思疎通を図ることは否定しないが、安易に開発事業を進めれば、ウクライナ侵略のための戦費調達を日本が手助けすることになりかねない。

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