ロシア極東の主要都市ハバロフスクに、先の大戦での対日戦勝を記念するソ連兵の像が設置された。高さ約15メートルの巨大な像だ。戦前戦中の樺太における日ソ両国の国境に置かれていた、菊の紋章が刻まれた国境標石を模したものを、ソ連兵がライフルの銃床で叩き壊す姿をかたどっている。
首相は「全く受け入れられません」と投稿
高市早苗首相はXに「菊花紋章は日本を象徴する紋章として広く認識されており、その破壊を表現する記念碑を設置することは全く受け入れられません」と日露両語で投稿した。妥当な認識である。
日本政府は、設置中止や撤去を求めたがロシアは応じていない。日本政府はさらに強い姿勢で撤去を求めるべきだ。事の重大性をロシアに認識させるため、駐露大使の召還やハバロフスクにある日本総領事館の閉鎖、ロシア人への観光ビザ(査証)発給制限を早急に実施したらどうか。
日本の象徴を破壊する像
菊の花は皇室の紋章に使われ、日本国民のパスポート(旅券)や国会議員の記章にも描かれている。このような日本の象徴を破壊する像は、日本国と日本人への重大な侮辱である。
問題の像はロシアの対日戦勝記念日(9月3日)の翌日に除幕された。露当局者らは「対日戦勝を記念した像として国内最大だ」などと喧伝している。
ロシアの「対日戦勝」とは何か
だが、ロシアのいう「対日戦勝」とは何か。ロシアの前身であるソ連は終戦直前の昭和20年8月9日、有効だった日ソ中立条約を破って対日参戦し、満州国や当時日本の領土だった南樺太に攻め込んだ。日本のポツダム宣言受諾後も攻撃をやめず、多くの日本人を殺戮した。卑劣きわまる不法行為を美化しようとする試みを許せば、北方領土交渉もますます難しいものとなってしまう。
プーチン露大統領が8月、北方領土の択捉島に足を踏み入れたが、この暴挙に対しても日本政府は抗議するにとどめた。弱腰の対応がロシアを増長させていることに気づくべきだ。
シベリア抑留の地に設置
ソ連は戦後、各地で約60万人もの日本人を拉致して強制労働を課し、約6万人を死に至らしめた。このシベリア抑留で、ハバロフスク地方には約6万5千人の日本人が収容されていたとみられる。ロシアが像を設置したのは、そうした地である。



